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嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

自学自習マニュアル(その2:教科書学習が有効ではない例外。)

前回、教科書学習の利点と欠点について記事を補う形で書きました。
様々な教科でこの教科書学習が有効である、と思っていますが、やはり例外となる科目があります。
それが、英語です。

これは英語の教科書は、そもそもその一冊で力がつくようには作られておらず、むしろある程度英語ができる人でないと取り組みようがないからです。端的に言い換えれば、小中高の英語教育において、「英文法」の教科書がない、というただ一点が致命的であると思います。

もちろん、中学の教科書も高校の教科書も各単元の中に文法事項は、それなりに入れてあります。しかし、
この程度の解説でわかる子は、最初からある程度英語ができる子です。中にはprogressシリーズのように、そもそも
英文法の解説がほとんど載っていないものさえあります。

嚮心塾には今年の理三や阪医の子のように勉強が得意な子達だけではなく、様々な子が通ってくれます。
その中で、「致命的に英語ができない」ままに高校を卒業してしまった浪人生たちの殆どは、「気がついたら英語の教科書に載っている内容が何一つ理解できなくなっていて、試験前に教科書の英文の和訳や単語・熟語をムリヤリ覚えて何とか定期テストを乗り切ったものの、受験ではどうしようもなかった」というケースです。

そしてこれは、ある意味現在の中高の英語教育の傾向からすれば、当然の結果であるのです。なぜなら、中高の英語教育において、英文法をあまりにも軽視することが「コミュニケーション英語」という美名に基づいて推し進められた結果として、「英語の教科書を読んでも英文法についてはあまり学ぶことができない」という状態になってしまっているからです。
これに関しては、英語の教科書を使わずに英文法の参考書を繰り返し読んでいくことが大切であると考えています。
(2,30年前に比べて(我々の頃は、『ロイヤル英文法』とか『英文法解説』とかを必死に読んだものでした…。)、最近では英文法の参考書もだいぶ取り組みやすい様々な参考書が揃ってきています。たとえば大学受験用の高校英文法であれば、『Evergreen』『ジーニアス総合英語』『be』『breakthrough』などです。これらのうちどれでもいいので一冊を繰り返し熟読すると、英文法のルールについて理解ができるようになってきます。これをしっかりとやれば、ほぼ高校の英語の授業は必要ないくらい、です。実際に嚮心塾でも、全く英語ができないままに高校を卒業してしまった浪人生が、英語が単語や熟語を覚えてもどうしようもない状態から始めて、これらの英文法の教材を熟読することで、英語でしっかりと点数をとれるようになっています。ここに関しては、英語ができない子のほとんどは、英文法をそのようにしっかり鍛えてあげれば、100%力がつきます!)

こう書くと、高校の英語の先生方は「いやいや。うちの高校は英文法にもしっかり力を入れている!たとえば『Nextage』とか『Vintage』とか小テストを徹底している!!」と反論されるかもしれないのですが、これでは絶対に力がつきません。これらの問題集を、英文法を理解していないままにいくら反復して解いても、何も残らないで実力もつかないことは、
以前にも別の記事で書きました。あるいは、「解くよりまず理解!」とも前回の記事で書きましたね。

そもそも人間は、「理解できないものを覚える」ということが極めて苦手です。有名な話をあげれば、将棋や囲碁のプロ棋士の方々は、超人的なくらい自分の対局の盤面を覚えていて、それを再現することができるわけですが、しかし、「(自然な対局ではない)ランダムな駒の配置や石の配置を覚えろ!」というようなテストをすれば、その超人的な記憶力は全く発揮できません。なぜなら彼ら彼女らはその盤面の意味(そこに至るまでの経緯)を理解しているから覚えられるわけで、自然な対局では決してないような配置にしてしまえば、単純に暗記するしかないからです。

英文法を理解していない中高生に、英文法の問題集だけを何回も解かせる、というのはこの「ランダムな盤面の配置」をただ反復によってできるようにしようとすることです。しかし、そのような能力は当然大学入試では全く求められていません。このように英語の勉強時間を空費させられては、「あんなに努力したのに、何も英語の力がつかなかった。。」という悲惨な状態の中高生が多いのです。

だからこそ、そのような悲惨な事態にならないためにも英語の教科書ではなく、「英文法書を読んで理解する」ということがとにかく大切です。嚮心塾でもまずはそれを徹底的にやらせています。
(もちろん、心ある中高の英語の先生方はそれに気づいた上で、しっかりと対策を練っておられる方もいるはずです。いるはずなのですが…教えている実感としては、あまりにも「文法は問題集を解け。」で終わらせている高校が多すぎる。。と思っています。)

国語も似た傾向があるのですが、古文や漢文はちゃんと「文法の教科書」があるので、それを読んで理解していけば
大丈夫です!例外としてはこういったところでしょうか。

次回はオンライン講義や指導の際の学習の注意点を書いた後に、では「自学自習の洗練」とはどういうことなのか、実際に嚮心塾でやっていることを書いていきたいと思います。
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