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嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

嚮心塾は英語民間四技能試験に対応しません!

センター試験後継の英語民間四技能試験は多くの致命的な問題点を抱えたまま、来年度から実施されてしまうことになってしまいます。それに対して英語教育・英文学の先生方が反対の署名を届けたばかりですが、この問題については社会の基盤を掘り崩すような大きな改悪であるのに、社会の関心があまりにも薄すぎると思っています。
(問題点の整理に関してはこのブログが比較的まとまっていると思います。)

あまりにも多くの問題点があるずさんな変更であるために、その問題点についていちいち指摘しにくくわかりにくい、ということもあるのですが、それ以上にことをめんどくさくしているのが、「入試」改悪であるということです。

我が子の受験について心配されている親御さんは、「我が子の人生の大事に変更がなされる」と聞けば、それがどのような変更か、改正か改悪かを考える前に、まず「うちの子はそれで大丈夫か」「うちの子はその試験にどう対応するか」ばかりを考えます。これにはまた、教育産業もひどいもので、このような親御さんの不安を「ビジネスチャンス!」とばかりに煽り立てて、「新テストに対応できます!」と売り込もうとします。このようにしてどんなにおかしな改悪であったとしても、それに抗議することよりも前に、「対応」することに忙しく、結果として抗議もせずに黙々と従う、という失敗をおかすことになってしまいます。

このような奴隷根性の日本人が香港のデモを見て「香港加油!」とか言うこと自体が烏滸がましいというか、ちゃんちゃらおかしい話でして、「お前たちもこっちを応援してないで、もっと自分の戦うべき相手と闘ったほうが良いのでは?」と香港の人たちからも心配されてしまうと思うのですが。。(もっと日本人は「怒る」ことを覚えたほうが良いと僕は思っています。)

英語の習得にどこまでスピーキング・リスニングが必要であるかはそもそも何のためにその外国語を学ぶのか、とリンクしているため一般論を話すのが難しいところではありますが、基本的な英文法の徹底無くして英語が上達することは不可能です。これだけは断言ができると思います。それを徹底した上で、自分の鍛えたい分野をさらに特化して鍛えていく、ということが理想なわけですが、このような入試改悪を「ビジネスチャンス!」と見ては利益誘導を図る教育産業やそれと癒着した文科省には、同じ教育に携わるものとして本当にうんざりします。しかし、彼らはどだいそういうものです。私企業が利益を最大化するためにあらゆる手を使うことを「文科省なら拒絶してくれる」と勝手な期待をするのも、どだい人任せな態度でしかありません。

僕が何よりも問題であると思うのは、このような利益誘導をしっかりと情報を集めては批判をすることもなく、「変化」に「対応」しなきゃ!と唯々諾々とその準備をしていく教師・保護者・受験生です。闘うべきときに闘わずに、そのような恣意的な改悪を防げるわけがないではありませんか。

嚮心塾は、「新テストに対応します!」などと口が裂けても言いません。それは英語の習得にとって、明らかに
失敗であると思うからです。英文法を叩き込み、品詞分解を徹底し、(大学受験レベルなら)目に触れる英文全ての構造を分析できるようになってからでも、スピーキングやリスニングをしっかり鍛えることは決して遅くはありません。
ましてや、こんな適当な採点と基準の民間試験もまざった新テスト対策なんて、という感じですね。(もちろん、英検やtoeflはある程度しっかりしたテストです。)そこに関しては子どもたちの学力をきちんと鍛え続けていけるように、頑固にやっていきたいと思います。
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