嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

自分を見つめ続ける力をつけよう。

自分を見つめ続ける力を、つけよう。


最近、勉強を教えていて、次のようなうれしい会話がありました。

塾生「先生、僕が計算が遅いのは、九九が遅いんじゃないかな。たとえば七六 四十二が出にくいときに、結局六七 四十二を計算しちゃってるけど、これで大丈夫なのかな?」
僕「それはいいところに気がついたね。九九を覚えるときに、みんな一つ一つを完璧には覚えないで、自分の苦手なものは逆の方で計算できるから覚えなくていいや、って子が多いんだよ。でもそれは結局計算のスピードを要求される時にはどうしてもタイムロスになってしまうんだ。だから、計算のスピードを上げるためには、八十一通りを全部すらすら出てくるように練習をした方がいいよ。実際に、そこをちゃんと出来ていないせいで、自分の計算スピードの上限が上がらない、という受験生も結構居るんだよ。」
という会話でした。

このように自分で自分の欠点に気づけたことを僕は本当にすばらしいと思いますが、もっとすばらしいと思うのは、この子が医学部合格を目指す、たくさん勉強してきた大学受験生であり、そもそも彼の言う「計算が遅い」もハイレベルな問題だと時間がきついという意味であり、現時点でもおそらく平均的な受験生や、少なくとも今年度の塾生の誰よりも計算が速いことは確かであるのにもかかわらず、このことに気付いたからです(数学も得意教科です)。

普通、そのようにそれなりに勉強が得意な子がまさか小学校で習った九九の中に自分の弱点があるかも、とは思えない、あるいはちらっと思ったとしても、「まさかそんなはずがない!」と思って押し殺してしまうでしょう。しかし、僕が教えてきた経験上、そのような九九の不得手な部分は確実に時間のロスを作り、時間制限の厳しい日本の大学入試では、そこで勝負が分かれてしまうこともあるわけです。このようなことを相談するのには教師と生徒との信頼関係が必要であるとともに、教える側が常識にとらわれずに目の前の生徒について考える力が必要です。「大学受験は大学受験の範囲さえ勉強していればいい」という指導の仕方が、実はそれ以前に改善しなければならない重大なポイントがその生徒の勉強の仕方にあるとしても、それを見殺しにしてしまい、結局力がついてこない、ということは多々あります。教える側の人間はそのような思いこみこそを何よりも敵だと考え、絶えず考え抜いていくことが大切であると思います。

もちろん、このようにうまくいく事ばかりではありません。しかし、嚮心塾では、自分を徹底的に見つめ直し、少しでも疑問に思ったことは自由に聞いてもらいたいと思っていますし、そのような、何でも聞きやすい環境を作ることに、腐心しています。一人一人を鍛えていく中で、何がその子にとって「失われた1ピース」であるかを見抜く力を教師がつけることは当然です。しかし、どのような教師も、生徒に24時間付き添うことが出来ない以上、生徒が自分で勉強をしていく中で感じた疑問点に対して、それを無視して硬直的な勉強計画を押しつけるのではなく、絶えず、その疑問点がどのような意味を持ち、それが何かその子にとっての「失われた1ピース」につながるものにはならないか、と考え続ける鋭敏さを保ち続けることこそが、何よりも大切であると思います。

自分を見つめ続ける力を、一緒に鍛えていきましょう。
そのための研鑽の場としての、嚮心塾に興味をお持ちいただけると有り難いです。

2010年6月4日
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