
嚮心塾では入塾テストをしていないのですが、もし行うなら時間制限を作って「塗り絵テスト」などをしてみるのが良いかもしれません。これは、文字通り塗り絵を、キツめの制限時間で塗ってもらい、色を塗らなければならない部分の面積の何%を制限時間内で塗ることができるか、「全体の面積の中で塗れた面積が大きいほど合格!」というテストをします。
このようにテストをした場合、一人一人様々な塗り方をするとは思います。ただ、東大受験生、あるいはもっと純粋に理三受験生に塗らせた場合、まず間違いなく、同じ色で塗ることができる領域を一番大きいところから順に塗っていくことになると思います。逆に色をちまちまと塗り分けなければならない細かい領域については、必ず最後に回すでしょう。これを「賢い」と呼ぶのか「せこい」と呼ぶのかは評価が分かれるところだとは思うのですが、単位時間の中で最大のパフォーマンスをあげようとすればそのようにした方が効率が良くなりますし、受験に強い子ほどに、ここに関してはやり方が一つに収斂してくるように思います。
このやり方がこのようなテストにおいてなぜ最適かと言えば、人間の脳みそというのはどうしても様々なことを念頭においた状態では(アプリケーションをたくさん開いているパソコンのようにメモリを食って)処理速度が遅くなるからです。塗り始め、というのはどこを塗っていたとしてもまだ塗り終えていないところまで早く到達しなくては!そもそも到達できるのか?と様々なことが不安になってしまいます。そのように不安を抱えた状態でさらに脳に負荷のかかるような細かいところを塗ろうとしても、なかなか正確には塗ることができず、結局そこに時間がかかってしまっては広いところを塗り終えられなくなってしまいます。だからこそ、このような課題の場合、まずは広い領域からどんどん塗っていくことで精神的な不安を減らしていき、より眼の前の課題に集中できる状況を作ってから、より細かい作業へと移ることが大切です。
塗り絵の話はわかりやすいのですが、これが受験になると、なかなか実践されていません。
だからこそ、これこそが受験において一番大切なことであると嚮心塾では考えています。嚮心塾版「受験の極意」ですね。入試においても上の塗り絵の例と同じように、一周目では決して深追いをせずに、自分の脳への負荷が小さい問題から順に解いていき、難しい、めんどくさい問題などは深追いをしないことが大切です。なぜなら、人生がかかった入試においては、答案が埋まっていない状態ではどのような実力のある受験生でも、冷静な判断などできるわけがないからです。そのようにして、1周目にさらっと埋められる問題がしっかりと埋まってからだと、飛ばした問題に2周目に取り組むときには、1周目とは比べ物にならないほど、目の前の問題への集中力が高まります。だからこそ、1周目にわからない問題に粘ることは愚策でしかありません。
また、この解き方には別のメリットもあります。「難しい!」と思って飛ばした問題が実は受験生の勘違いや問題文の読み間違いで実は簡単な問題なのか、それとも本当に難しくて手が出ない問題であるのかを見分けるのが合否の分かれ目です。しかし、1周目で「難しい!」と思った問題を同じ1周目で粘ってもう一度読み直そう!としても、そこでは先ほど読んだばかりで前の解釈が頭に残っているため、読み直したつもりでも当然前の解釈に引きずられてしまい、せっかく読み直しても結局同じように「わからない!」となってしまうことになります。しかし、1周目で飛ばして他の問題を解いてから戻ってきて2周目を解けば、先程問題文を読んだときの解釈は忘れているので、問題をもう一度読み直すときに自らの勘違いや読み落とし、読み間違いに気づくことができます。この点からも「1周目に深追いせずにさっさと飛ばして、一通り解ける問題を解いてから2周目にもう一度考える!」というこの作戦は非常に有効です。(ちなみにこれは「一周目で粘って問いちゃった方がリード文とか設定を再度読み直さないで済む分、時間短縮になる!」という主張への反駁にもなっています。合格ラインをはるかに越えた実力を持つ受験生であっても、この種の読み間違いや勘違いを入試の最中にどうしてもしてしまうものです。だからこそ、そのような読み間違いや勘違いに気づくための作戦が必要であるのです。)
嚮心塾で勉強を教える以外にやっていることはこれだけです。もちろん、この解き方には受験生一人一人で向き不向きがあるので、一人一人に最適化していけるように、細かな点でカスタマイズはしていきます(たとえば、2周目にはどのくらい粘るのか、を飛ばした問題の多さによって変えることなど。このあたりも解き方が単純であれば単純であるほどに、受験生の脳への負担は小さくなるので、「最も点数が高くなる解き方」と「最も解き方自身に頭のメモリを使わなくてよい解き方」(プログラミングで言えば、「行数の少ないコードで表現できるか」ですね!)の2つのパラメーターの中で最適解を一人一人に探していきながら決めていくことになります。)。ただ、どのようにバリエーションをつけるとしても「1周目でしっかり粘ってバチッといい点をとろう!」というやり方には絶対にしません。それくらい、入試において1周目の精神状態というのは異常なものであり、その状態で難しい問題やめんどくさい問題に取り組むことは自殺行為であると思っています。
ちなみに、なのですが、この話を書くと(細かいカスタマイズはともかく、「しんどい問題を飛ばす」ことについては)恐らく「そんなの、当たり前じゃん!」という子たちと「ええ!?そうなの!」という子たちとにきれいに分かれます。僕自身、こんなことは自分が受験生のときには(もちろんそうした方がより良い理由がここまで言語化はできていなかったものの)当たり前のことと思っていました。この点において、恐らくいわゆる「有名進学校」の生徒と「それ以外の学校」の生徒との間でスキルの差が大きいのかな、と思います。ただそのスキルの差というのはなかなか可視化されない(有名進学校ではみんな当たり前のこととして自分で勝手に身に着けてやっている一方で、それ以外の学校の子たちはそのような無形のスキルを学ぶ場がない)からこそ、有名進学校以外の子たちが真面目に勉強して力は十分にあってもなかなか東大や医学部に合格しにくい、という差がついてしまうようにも思っています。その差を嚮心塾では何とか埋めたいし、そのためにもこのように勉強以外の様々な要因をも徹底的に言語化し、伝え、鍛えていけるようにしていきたいと思っています。国公立入試は最後の追い込みです。一人一人の受験生が本番で力を出せるように、最後まで徹底的に考え抜いていきたいと思います。
(なので、最初に書いた「制限時間つき塗り絵テスト」を入塾テストにした場合、現状で同じ偏差値であるなら、ちまちました難しいところから塗ってしまう子の方が、やり方を変えるだけで一気に伸びる、ということになります。実はこういう「偏差値○○アップ!」は見る人が見れば、とても簡単に達成できてしまいますがまやかしです、というお話でした!)
このようにテストをした場合、一人一人様々な塗り方をするとは思います。ただ、東大受験生、あるいはもっと純粋に理三受験生に塗らせた場合、まず間違いなく、同じ色で塗ることができる領域を一番大きいところから順に塗っていくことになると思います。逆に色をちまちまと塗り分けなければならない細かい領域については、必ず最後に回すでしょう。これを「賢い」と呼ぶのか「せこい」と呼ぶのかは評価が分かれるところだとは思うのですが、単位時間の中で最大のパフォーマンスをあげようとすればそのようにした方が効率が良くなりますし、受験に強い子ほどに、ここに関してはやり方が一つに収斂してくるように思います。
このやり方がこのようなテストにおいてなぜ最適かと言えば、人間の脳みそというのはどうしても様々なことを念頭においた状態では(アプリケーションをたくさん開いているパソコンのようにメモリを食って)処理速度が遅くなるからです。塗り始め、というのはどこを塗っていたとしてもまだ塗り終えていないところまで早く到達しなくては!そもそも到達できるのか?と様々なことが不安になってしまいます。そのように不安を抱えた状態でさらに脳に負荷のかかるような細かいところを塗ろうとしても、なかなか正確には塗ることができず、結局そこに時間がかかってしまっては広いところを塗り終えられなくなってしまいます。だからこそ、このような課題の場合、まずは広い領域からどんどん塗っていくことで精神的な不安を減らしていき、より眼の前の課題に集中できる状況を作ってから、より細かい作業へと移ることが大切です。
塗り絵の話はわかりやすいのですが、これが受験になると、なかなか実践されていません。
だからこそ、これこそが受験において一番大切なことであると嚮心塾では考えています。嚮心塾版「受験の極意」ですね。入試においても上の塗り絵の例と同じように、一周目では決して深追いをせずに、自分の脳への負荷が小さい問題から順に解いていき、難しい、めんどくさい問題などは深追いをしないことが大切です。なぜなら、人生がかかった入試においては、答案が埋まっていない状態ではどのような実力のある受験生でも、冷静な判断などできるわけがないからです。そのようにして、1周目にさらっと埋められる問題がしっかりと埋まってからだと、飛ばした問題に2周目に取り組むときには、1周目とは比べ物にならないほど、目の前の問題への集中力が高まります。だからこそ、1周目にわからない問題に粘ることは愚策でしかありません。
また、この解き方には別のメリットもあります。「難しい!」と思って飛ばした問題が実は受験生の勘違いや問題文の読み間違いで実は簡単な問題なのか、それとも本当に難しくて手が出ない問題であるのかを見分けるのが合否の分かれ目です。しかし、1周目で「難しい!」と思った問題を同じ1周目で粘ってもう一度読み直そう!としても、そこでは先ほど読んだばかりで前の解釈が頭に残っているため、読み直したつもりでも当然前の解釈に引きずられてしまい、せっかく読み直しても結局同じように「わからない!」となってしまうことになります。しかし、1周目で飛ばして他の問題を解いてから戻ってきて2周目を解けば、先程問題文を読んだときの解釈は忘れているので、問題をもう一度読み直すときに自らの勘違いや読み落とし、読み間違いに気づくことができます。この点からも「1周目に深追いせずにさっさと飛ばして、一通り解ける問題を解いてから2周目にもう一度考える!」というこの作戦は非常に有効です。(ちなみにこれは「一周目で粘って問いちゃった方がリード文とか設定を再度読み直さないで済む分、時間短縮になる!」という主張への反駁にもなっています。合格ラインをはるかに越えた実力を持つ受験生であっても、この種の読み間違いや勘違いを入試の最中にどうしてもしてしまうものです。だからこそ、そのような読み間違いや勘違いに気づくための作戦が必要であるのです。)
嚮心塾で勉強を教える以外にやっていることはこれだけです。もちろん、この解き方には受験生一人一人で向き不向きがあるので、一人一人に最適化していけるように、細かな点でカスタマイズはしていきます(たとえば、2周目にはどのくらい粘るのか、を飛ばした問題の多さによって変えることなど。このあたりも解き方が単純であれば単純であるほどに、受験生の脳への負担は小さくなるので、「最も点数が高くなる解き方」と「最も解き方自身に頭のメモリを使わなくてよい解き方」(プログラミングで言えば、「行数の少ないコードで表現できるか」ですね!)の2つのパラメーターの中で最適解を一人一人に探していきながら決めていくことになります。)。ただ、どのようにバリエーションをつけるとしても「1周目でしっかり粘ってバチッといい点をとろう!」というやり方には絶対にしません。それくらい、入試において1周目の精神状態というのは異常なものであり、その状態で難しい問題やめんどくさい問題に取り組むことは自殺行為であると思っています。
ちなみに、なのですが、この話を書くと(細かいカスタマイズはともかく、「しんどい問題を飛ばす」ことについては)恐らく「そんなの、当たり前じゃん!」という子たちと「ええ!?そうなの!」という子たちとにきれいに分かれます。僕自身、こんなことは自分が受験生のときには(もちろんそうした方がより良い理由がここまで言語化はできていなかったものの)当たり前のことと思っていました。この点において、恐らくいわゆる「有名進学校」の生徒と「それ以外の学校」の生徒との間でスキルの差が大きいのかな、と思います。ただそのスキルの差というのはなかなか可視化されない(有名進学校ではみんな当たり前のこととして自分で勝手に身に着けてやっている一方で、それ以外の学校の子たちはそのような無形のスキルを学ぶ場がない)からこそ、有名進学校以外の子たちが真面目に勉強して力は十分にあってもなかなか東大や医学部に合格しにくい、という差がついてしまうようにも思っています。その差を嚮心塾では何とか埋めたいし、そのためにもこのように勉強以外の様々な要因をも徹底的に言語化し、伝え、鍛えていけるようにしていきたいと思っています。国公立入試は最後の追い込みです。一人一人の受験生が本番で力を出せるように、最後まで徹底的に考え抜いていきたいと思います。
(なので、最初に書いた「制限時間つき塗り絵テスト」を入塾テストにした場合、現状で同じ偏差値であるなら、ちまちました難しいところから塗ってしまう子の方が、やり方を変えるだけで一気に伸びる、ということになります。実はこういう「偏差値○○アップ!」は見る人が見れば、とても簡単に達成できてしまいますがまやかしです、というお話でした!)



