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嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

「虐待」とは。

塾の役割というのは、結局は決定権は塾生のご家庭にあるからこそ、こちらの仕事としてはどこかで一線を引かねばならないわけです。しかし、そのことが大きな間違いを生むのだとしたら、こちらとしてはどこまで介入すべきであるのか、というのが本当に難しいところです。児童相談所はよく虐待死が露見するたびに批判されるわけですが、どこまで踏み込むべきか、逆にどこからは一線を引くべきかの判断は、本当に難しいものだと思っています。もちろん、恒常的な親からの暴力などとわかりやすい場合ならともかく、恒常的な子供の自尊心を掘り崩すような暴言ならどうか、子供に対する徹底的な時間管理ならどうか、などと一つ一つ判断に迷うケースが多いと思っています。

どの場合が緊急でどの場合が緊急ではないのか、どのような場合には強制的な介入が必要であるのか、とても一筋縄ではいかないですし、ましてや殆どの場合親御さんにはそのように子供の尊厳を傷つけているという実感がないわけですから、こちらとしても対応が本当に難しいです。もちろん、これらは親御さんの愛情が深いからこそ、このようにこじれてしまうわけですが、物理的な暴力がなくて児童相談所が介入できないようなケースでも、「この親子関係がこのまま続くと危険だな…。」というケースは多々あります。そして、そういうケースほどに親御さんはその事実に気づいていないことがほとんどです。

ときに両者からサンドバッグになりながらも、何とかそのような関係性の間を取り持てるように努力はしているのですが…。なかなか難しいです。両者からボロクソに言われながらも、何とか歪な親子関係に気づいてもらえるように、必死にやっていきたいと思います。それとともに、虐待死のニュースがあるたびに児童相談所の方々をたたかないでほしいと思っています。そのような中、リソースもひどく限られている中で、何とか必死にやっていると思うんですよね。児童相談所をたたく暇があるなら、まず自分自身のお子さんへの接し方がパワハラ気味になっていないか、自尊心を傷つけるものになっていないか、そういったことを徹底的にチェックしていただくことの方が大切かと思っています。これはもちろん、僕自身の娘に対する苦い経験も踏まえて、のことです。過大な期待や要求そのものが、幼い子供の心をどれだけ深く傷つけるかについては、もっと(僕自身も含めて)親たちは敏感にならねばならないと思っています。
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