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嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

人間は、直前まで伸びる!

今日はさすがに忙しく、「この期間毎日ブログを書くぞ!」という誓いがもう既にピンチを迎えているので、さらっと書ける教育のことでも書こうと思います。

勉強が間に合わずに苦しんでいる高校3年生に、学校の先生方が「現役生は最後まで伸びるぞ!頑張れ!」と励ますことが多いのでしょう。この言葉はよく使われます。この励ましの動機自体はもちろん素晴らしいものなのですが、この言葉が呪いのように浪人生を縛り、「浪人したってこれ以上伸びないかも…」「一通り勉強してきてしまったからもうあとは実力をキープするだけかも…」ということを言ってしまう受験生は多く、そのたびに僕は「そんなことない!」と言葉を尽くして説明をしなければならなくなります。

僕も長いこと受験に携わっていますが、もうこれ以上何を勉強しても点数が上がらない、という受験生には一人も出会ったことがありません。どのように優秀な受験生にも、必ず鍛えるべき弱いところがたくさんあり、それを鍛えよう、それが終わったらこっちも鍛えよう、とやっているだけでもあっという間に受験までの時間が過ぎていきます。だからこそ、「現役生は直前まで伸びる」のは正しいとしても、「浪人生も直前まで伸びる」も正しく、何なら「人間全て死ぬ直前まで伸びる!」がほぼ正解なのではないか、と思います。まずはこのことを強く訴えたいです。「これ以上勉強しても伸びない」というときは必ず、「全てやり尽くした」の「全て」を自分に都合よく解釈しているだけ、あるいは自分の弱いところは見たくないのでそもそも視野に入れないようにしておいて、それ以外の部分を「全て」と言っているだけだと思います。

もちろん、それを自分の力で見つけていくのは難しいとしても、見るべき人が見れば必ず弱点があるのだと思います。

裏を返せば、教師がやるべき仕事とは、そのような見落としがないかどうかを、どのようにできる受験生に対しても
最後の一瞬まで徹底的に疑い抜き、調べ尽くしていくことです。それはその生徒がどのような絶望的な状況においても諦めないのとともに、その生徒がどんなに模試やその他の材料が彼の成功を約束しているかのように見えているとしても、必死に疑いぬく姿勢を保たなければなりません。このような姿勢はときに、受験生本人からも嫌がられることもあるでしょう。人間は見たいものを見ようとするものです。自分が諦めたいときに、自分以上に自分のことを諦めない教師はうっとうしいものです。あるいは、自分が不安な気持ちを何とかゴマかして本番の入試をやり過ごしたいときに、徹底的にもっと鍛えなければならないポイントを探そうとし続ける教師もまた、うっとうしくてたまらないと思います。

しかし、です。入試には、あるいは現実には、と言い換えてもいいですが、決してごまかしがききません。自分の脳内で「こうあってほしい」と思うように現実が進むことのほうがありえないことです。だからこそ、そのどちらの態度をもとりながら、ときに受験生本人に嫌われながらでも、僕は最後まで何とか合格可能性を探るとともに、その合格可能性を徹底的に疑っていきたいと思っています。

人間は、直前まで伸びるのです。もちろん、それを誰に対しても全て実現できるほど僕には能力はありません。
しかし、それを最後まで決して諦めずにやるべきことを徹底的に尽くしていきたいと思います。
(ナメック星の長老のように、簡単にできたらよいのですが、実際には徹底的な試行錯誤とすべてを疑うことからしかそれはできませんので、恐ろしく地道な作業です(もっともその後修行して悟飯やクリリンももっと強くなったわけですから、ナメック星の長老も僕と五十歩百歩かもしれません。体型は間違いなく五十歩百歩です!)。そういえば、過去にはメガネの度が合っていないことを見抜くことでセンター試験直前に点数が上がった受験生もいました!)。

ここからはセンター試験、高校推薦入試、私大入試、中学入試、私立高校入試、都立高校入試、そして国公立大学入試と息をつく暇もないのですが、最後まで「人間は、(死ぬ)直前まで伸びる!」と言い続けて努力していきたいと思います。
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