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嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

自称進学校に騙されるな!その1

twitter でも書いたのですが、より精密に書こうと思ってブログに書きます!
https://twitter.com/kejekichi/status/984952914308460545
こういうのって当たり前すぎて、つい繰り返し言いたくなくなるのが僕の悪い癖なのですが、しかし繰り返し言っていかないと犠牲者が増えていってしまいます。僕の敬愛するサンボマスターの山口隆さんは「愛!」「平和!」「死ぬな!」とバカみたいな熱量でバカみたいに繰り返してばかりなのですが、その「大切なことは何度でも繰り返して主張する」という「バカさ」がこの社会には大切であり、必要であるのだと思っています。特に勉強の仕方に悩む高校生に読んでもらえたら嬉しいです!

発端はtwitterで高校生が自分の学校で「勉強部」(という名目の生徒に全生徒に強制的に勉強をやらせるしくみ)が発足したことを受けて、これが「決定的な自称進学校の証」!として見せていたのに暗澹たる気分になったことでした。これに関してはわかりきっていることとは言え、現役の高校生たちは何を信じていいのかわからないだろうから、しっかり書き残しておきたいと思います。

自称進学校の特徴として、

①生徒の自由な時間をとにかく奪う。小テスト、強制的な「自習」時間、長い授業、宿題などなど。大学受験生にとって一番必要なのは自分で勉強をする時間です。その受験生の弱点は受験生本人が一番良くわかっているからです。その時間を奪うことで合格率が上がると考えている高校はまず怪しいと思ってください(これは予備校にも言えることです。講義をひたすらとることを推奨する予備校も同じです。自分で勉強する時間を十分に作ることが受かるためには必ず必要です)。

②しかし、そこでやらせている教材が極めて的外れである。出口から逆算して「これができれば東大にも受かる!」(目の前の生徒たちにとって今それが必要かどうかは考えていない)という主張を繰り返し、レベルにあっていなくても繰り返せばそのうちできる!と話し合う余地がない。もしそれをやっても力がつかなければ「それはお前の努力が足りなかったからだ!できる子はできるようになっている!」と生徒のせいにする。「数学なら青チャートをやれば大丈夫!」「英語ならNEXTAGE(vintageでも可)をやれば大丈夫!」と言っている指導は、ほぼ的外れです。嚮心塾ではこれを「青チャート信仰」「NEXTAGE信仰」と呼んでいます。

③とにかく理解よりも暗記を強いてくる。二言目には「覚えろ!」と言う。これも青チャート信仰やNEXTAGE信仰と通底するものです。これは、暗記はすぐに抜けるが理解はなかなか抜けない、という勉強のセオリーを無視したやり方です。

④そして、これらは彼ら自称進学校が「塾や予備校の要らないサービス」として提供しているつもりであるので、
むしろそれによって進学実績がでていることを盲信する。自分たちのカリキュラムの不備についての反省を少しもしない。

というのが主なものでしょうか。このような特徴に当てはまる高校に通っている高校生の皆さんは、今すぐ逃げたほうがよいです。「逃げる」というのは、(もちろん高校をやめられればよいですが)現実的には難しいと思うので、学校の先生の言うことを聞かずに自分で自分の勉強に何が足りないかを考え、それを補えるような勉強をしていく、ということです。その際に重要なのは

①勉強に王道はないことを肝に銘じることです。基礎ができていない子がいきなり東大レベルだの発展レベルだのを繰り返してもできるようにはなりません。だからこそ、どのレベルからやるかを迷うのであれば、必ず基礎レベルから固めたほうが良いと思います。(これもごくたまにとても優秀な子は難しいものを繰り返すだけでできるようになります。しかし、それは僕の指導経験からいってもきわめて稀なケースです。かつ、(結局難しい教材をじっくり読み込んだり調べたりしていかなければならなく、かつ繰り返しを必要とするので)そもそもそれがあまり時間短縮になっていないケースが多いです。難しい教材から始めることは、実力がつく可能性が低く、かつ可能なときにもそんなに効率的ではありません。)

②学校は卒業できる程度に成績さえとっておけばよい、と割り切ることです。推薦入試とかを狙うのでない限り、学校の成績で受験の合否に影響はありません。あなたが既に学校の成績が優秀であるなら学校の勉強で基礎を作っておいて、そこから受験勉強をしていく、という道もありますが、一旦学校の勉強についていくのが精一杯、となるとむしろ学校の勉強は落第をしないぐらいにとどめておいて、①に書いたように自分の弱点を基礎から積み上げていくことのほうが受験にとってははるかに有益です。また、それがしっかり積み上がっていけば、学校の試験も何もせずに成績も上がっていきます。

③暗記よりもとにかく理解を優先していくこと。もちろん基本的な公式や定理は覚えなければなりませんが、それ以外の覚えるべきものは直前でも間に合います。逆に理解をしていなければ、いくら覚えても覚えたものはすぐに抜けていきますし、穴の空いた水槽に水を注ぎ込むように、努力が実力に結びつかないまま時間を空費することになります。

④この①②③をご両親に理解してもらうことです。基本的に親御さんは学校の成績を気にします。学校の成績が良くても大学受験には通用しないとしても、です。だからこそ、これに関しては自分の計画や今やっていることを説明して理解してもらわないと、「自称進学校」の(間違った)「熱血指導」に対して、親御さんも敵にまわしてしまうことになってしまいます。親御さんに理解してもらい、味方になってもらうことが大切です。

以上のことに気をつけて、自分の将来をしっかりと自衛していくことが大切です。
「俺の言うとおりに勉強すれば受かる!」とあなたに青チャートやNEXTAGEを強制する学校の先生たちもそれを忠実に守るあなたが受験に失敗したとしても、何のお詫びも言ってくれません。何か補償をしてくれることもありません。むしろ「方法は正しかった。お前の努力が足りなかった!」と言わんばかりです。そしてそれは当たり前であるのです。彼ら彼女らに、受験に合格するための方法などわからないからです。だからこそ、自分の将来は自分で自衛することが大切です。

そして、それを一人でやっていくことに自信がなければ、是非嚮心塾に!というのは宣伝なのですが、
僕としてはそのような自称進学校が少しでも減っていってくれることを切に願っています。
若い世代の貴重な時間をあまりにも無駄なことに空費しすぎている。。そのことで彼ら彼女らがどれほど
可能性のある将来を諦めざるをえなくなっているのか。このことに関してはこういった指導に疑問を抱かない
高校の先生の行いを僕は犯罪的である、とすら思っています。

ではいわゆる有名進学校で行われる指導は正しいのか?についてはまた続編を書きます!
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