嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

過去のパンフレットの巻頭言です。その6

当塾では、指導方法に日々悩んでいます。

 広告の冒頭からこのように言うのもおかしな話なのですが、僕はこの「広告」というものが、どうにも苦手です。広告のおかげで様々な方にこの塾の存在を知っていただけるとしても、そもそもその「広告」するのに値する自分や塾であるのか、という反省がついてまわります。
 しかし、どの学習塾・予備校の広告でも、その塾の指導方法に非常に自信がありそうな広告が多いように思います。もちろん、プロとして仕事をしている以上、それなりの方法論の蓄積がないのではやはり困りものです。しかし、それまで様々な生徒を教え、実績を上げてきた先生であっても、次に新たに出会う生徒に対して今までのノウハウだけでその生徒を鍛えていくことが出来るかどうかは、決して自明のことではありません。それなのになぜ、新しく来る生徒を鍛えることに対して「自信」をもてるのでしょうか。
 嚮心塾では「必ずお子さんの成績をあげます!」とか「お子さんを絶対に志望校に合格させます!」といった、威勢のいい約束をご説明の際にいたしません。それは、一人一人の力を伸ばし、志望校に合格してもらえるようにもしていく、ということがどれほど難しいことであるかについて、決してたか多寡をくくってはならないと思うからです。それとともに、指導方法についても、今までの指導経験から大まかなお話は出来ますが、実際に勉強をしていく中で不断に修正を繰り返していきます。その意味で、当塾では一人一人の塾生の指導方法に、絶えず悩み続けています。それはプロとして恥ずかしいことでは決してなく、むしろ本当のプロであれば必要不可欠な姿勢であると考えるからです。(もちろん、それで十分ではないにせよ、です。)
 それ故にいつも説明に苦しむのが、当塾のカリキュラムについてです。入塾の際に一人一人にあわせて大まかな枠組みを作るものの、塾生に日々通っていただき、指導を続ける中で、教えている側にも日々発見があります。その新たな発見をもとに、今までこちらの気付いていなかった、鍛えるべきポイントを織り込み、指導していくため、当初に決めた勉強の優先順位を覆して、「これがわかっていないのなら、そこまでさかのぼらなきゃ!」と復習していくケースが多いのです。僕は教えれば教えるほどに、人間というのは分からないことが残っているうちには決して新しいことを深く理解することが出来ないのだということを痛感させられています。わかっていないところを、学ぶ側はもちろん、教える側も決して避けて通ることはできないのだと考えています。ですから、このような勉強方法が力をつけていただくための結局最短距離であると思いますし、その結果は当塾の合格実績にも現れつつあると思います。
 もちろん、嚮心塾に通っていただいたすべての方にご満足いただいたわけではないこともまた、事実です。しかし、一生懸命に通っていただいている塾生に、何とか力をつけてもらいたいという思いをあきらめたことは一度たりともありません。塾生が、自分を鍛えるために悩み続けるのなら、教師もまた塾生を鍛えるために徹底的に悩み続けたいと思います。そのような研鑽の場としての嚮心塾に、興味をお持ちいただけるとうれしいです。 
                   2009年6月8日
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