嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

開塾10周年にあたって。本当にありがとうございます。

ちょっと気が早いのですが、書こうと思っていてバタバタして書けないとまずいので、早めに書きます。

今年の5月1日で嚮心塾も開塾10周年になります!
塾を開いた当初には、2年もつかなあ、という状態でしたが、まさか10年間も続けることができるとは思いませんでした。これもひとえに、僕の才能とたゆまぬ努力のおかげです。ありがとうございます。

という自称「天才」芸風を(「天才プログラマー」やねうらおさんのように)維持したいのですが、この10周年という節目に関しては、やはりそのように茶化して終わることができません。こんな変な塾が10年間も続けることができたのは、ひとえにこんな変な塾をご紹介頂いた卒塾生並びに卒塾生のご父母のお陰です。そのことに関しては、本当にいくら感謝しても感謝しすぎることはありません。本当にありがとうございます。

なぜ(僕らしくなく)しおらしく書くかといえば、「嚮心塾を他のお父さん・お母さんや友達に紹介する」ということのとてつもない難しさを想像するからです。まず、名前で引かれます。「嚮心塾」という名前だけ見せられたら、どこの怪しい団体かわかりません。次に「月謝が安くて全教科教える」というのがかなり怪しい塾のパターンです。この市場経済においては「高品質のものは高価格である」という刷り込みを皆が受けている以上、「全教科指導して月々2、3万円」というのはまず間違いなく詐欺のパターンです(詐欺じゃありませんよ、念のため。)。さらに、塾のホームページというものがありません。ネット上ではこの貧弱なブログのみ、しかも塾の仕組みや様子について(「今日も受験生が頑張ってます!」的な内容)よりは、僕が考えたことについて書き散らしているだけのブログです。この時点で、紹介を受けた多くの人が断念するのではないでしょうか。
 
さらに、塾に実際に来るとすればそれはそれで、ますますハードルが上がります。まず、嚮心塾は塾の看板を出していません。以前は出していたのですが、今はもうやめました。さらに、塾の中に入ればお世辞にも綺麗とはいえない環境です。もちろん、塾の子達がみんな懸命に勉強している姿はある意味で壮観であるとは言えるでしょうが、それに気づく前に嫌になってしまう親御さんやお子さんも多いと思います。

自分で書き並べてみると改めて、商売をする気があるのか、と気づかされるひどさですが、このような塾をお友達に勧めるのは、とてつもなく勇気がいる行為であると思います。下手したら友達をなくすレベルです。しかし、そのような卒塾生やそのご父母の皆さんの勇気あるご紹介があって初めて、こんな塾も10年間続けることができました。もちろん、このような奇妙な塾にしているのは、僕自身の確信犯的な行為でもあります。その僕のわがままを、仕方がないな、と思いながらも見捨てずにいていただけたことに対しては、今回のように言葉にしないまでも、片時たりとも感謝の念を忘れたことはありません。本当にありがとうございます。

愛とは比較可能なものではなく、唯一無二のものです。たとえば、様々な条件を比べてこれがより良いな、と思ってそれを選んでいるうちは、それは愛ではなく打算であるのでしょう。嚮心塾を始めるにあたって、「どのような生徒がどのように困っていたとしても受け入れる」という覚悟で塾を開いた以上、僕は塾生の一人一人を(東大・京大や医学部に入りやすいから、あるいは逆に勉強のできない子を選ぶ方が商売としてニッチを満たすものになるからなどという理由で)「選抜」することを放棄しました。その意味では、どんな塾生も「愛する」ことを選んだ、と言えるでしょう。塾に通う子にも同じ姿勢でこの塾を選んでほしい、とまでは贅沢を言いませんが、嚮心塾の様々な短所に気がついたときに、短所が存在するという理由だけで長所に目を向けない子よりは、様々な短所があるとしてもこの塾の長所は自分にとって大切なのではないかと思って嚮心塾を選んでほしい、という思いは変わらず持ち続けています。そのような決意は、一人一人の子供達にとって、何かを愛するという行為の端緒であると思うからです。幸福な子供時代を過ごした子供達にとって、これからの人生は長く、厳しく、辛いものであるからこそ、その中で自分が大切にしたいと思うものを守っていく覚悟を鍛えていく場でなければならないと思っています。嚮心塾に通うことを選ぶ、ということそのものが一つの教育的効果をもたなければ、そこでなされる教育がいかに意味があろうと、無意味であると僕は考えています。

そのような教育の場をこの10年間維持できた、ということ自体が僕には一つの奇跡であるように思えます。もちろん、これから先にどうなるかは全くわかりませんが、初心と感謝の気持ちを忘れずに、もっと精進していきたいと思います。本当にありがとうございました。これからもまだまだご迷惑をおかけすると思いますが、それに少しでも報いることができるように必死にやっていきたいと思います。
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