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嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

後悔をしないために。

今年度の国公立前期試験の結果も出ました。今年は受験生一人一人の力を伸ばせたという実感のある一年でしたが、それでも受験結果はなかなか厳しく、今のところ苦戦しています。それでも、今日行われる後期試験のために、皆最後まで残って必死に勉強していました。

結果を保証する、ということは極めて難しいことです。ここからの新年度で、一年間お預かりする受験生が多い訳ですが、一人一人に対して、どのように鍛えていくべきかが見えているとしても、そしてそれを一年間の中でどれほど徹底的にやっていったとしても、それでも難関大学の入試では確実に合格する、ということが言えません。運やその場での出来もあれば、自分が想定していない状況に直面したときに勇気を持ってそこにチャレンジする姿勢がなければその難関を突破することはできません。

「チャレンジ」という言葉を使いました。これは、何が最適な振る舞いであるかは状況状況で刻々とかわっていくため、ある時点での「最適」が別の時点での最適となるかどうかはわからない、ということをふまえた上でこの瞬間の最適な行動とは何かを考え抜く、ということです。時間軸に座標をつけては、その各時刻における最善策を用意しようとも、その受験生の力によって何が最善であるかは変わりますし、問題の難易度によっても変わります。だからこそ、その瞬間にその問題に直面している受験生自体が、(ある程度の類型となるようなケースについてのケーススタディはもちろん前もって準備できるものの(そしてここに関しては嚮心塾は一日の長があるとは思いますが))その場で自分の判断で勇気を持って一つの作戦を選ばねばなりません。これがどれほど、難しいことであるのかは、なかなかに受験生以外にはわからないことであると思います。

その意味で、今年も僕の力が足りずに第一志望の学校へと合格できなかった子が少なからずいたことは、僕自身の、そして塾の力不足です。そのことについては、申し開きができません。しかし、その第一志望の不合格というきつい状況を目の当たりにしても、歯を食いしばって後期試験の直前まで必死に努力を重ねる彼ら、彼女ら塾生を僕は誇りに思います。あるいは、高校受験でどこも合格できなくても、最後まであきらめずに受け続け、ようやく受かったこのその不屈の努力を僕は高く評価します。

本当に絶望的な状況に直面したときにこそその人間の真価が問われるという意味では、彼ら、彼女らはもう既に一流である訳です。口を酸っぱくして言い続けてきたことが、彼らの中で確信へと変わっていくこの瞬間こそが、すばらしいと思います。

もちろん嚮心塾は全ての塾生の第一志望への合格を目指しています。それがあまりにかけ離れているだけでなく自分でもそんなにはそれを信じていない場合を除いて、一人一人についてあきらめたことは一度もありません。ただ、第一志望に合格することだけが目的であるのなら、不合格は後悔しか残さないでしょう。しかし、一年間必死で努力したことを、結果だけから振り返って後悔することほど愚かなことはないと思います。人生は続いていく訳ですし、その中で、自身の努力や姿勢を問われることはさらに増えていきます。だからこそ後悔のない一年にできるように、もちろん結果を出すことも含めて徹底的に準備していきたいと思います。
すべての受験生の第一志望の希望を叶えることは今のところ、嚮心塾にはできていません。その意味ではこの時期にどの予備校も美辞麗句で語るようなこともこちらも言えれば良いのですが、そういうわけにもいきません。どんなに努力しても、それでも第一志望に不合格になるかもしれないのが受験の、特に難関校受験の怖さです。しかしそれでも、決して最後まで合格の可能性を僕があきらめずに懸命に努力し続けることだけはお約束できると思います。僕は誰をも、あきらめません。残念ながら、結果を後悔するようなことがあったとしても、ここですごす一年間に後悔をさせたくはありません。そのような場での研鑽に、興味をお持ちの方は是非お問い合わせいただけるとありがたいです。
                             2014年3月12日 嚮心塾 塾長 柳原浩紀
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