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嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

苦手なこと。

今年の卒塾生の体験記が全く集まってこないので、塾の宣伝をしようにも、宣伝が全く進みません。。このままだと「理三・阪医合格者を出しておいて倒産する」という新たな伝説を作ることになるのでしょうか!(それはそれで面白いですが)
仕方ないので、体験記の代わりに、できる限り僕がブログを書いていきたいと思います。(まあ、僕が書けば書くほど集客という観点で見たら逆効果なのでしょうが!)

さて、何が苦手といえば、この教えていた子が受験で第一志望に合格した後のことほど、苦手なことはありません。
なぜかというと、あまりそれを一緒に喜ぶことができない、という自身の欠陥が僕にはあるからです。
もちろん、様々な思いがあったとしてもそれらを見せずに徹底的に喜ぶ!という役者のような役割をまっとうする
ことが教師としては必要であるのだ、と思います。そう思って色々と努力はしているのですが、やはりまだまだぎこちないままです。

根本的には、僕は人間の喜びにはあまり興味がなく、人間の苦しみ・悲惨さに興味がある、と言えます。「興味がある」という言い方は不謹慎なだけでなく不正確で、もちろんそれを喜んだり、面白がったり、ということではありません。誰かが困っていたり、苦しんでいたりすることに対して「自分に何ができるか」を考えては行動することにしか興味がなく、その結果その難局をその人が乗り越えられたとしたら、もちろんその成功自体は僕にとっても極めて嬉しいことではあるのですが、しかし「僕の役割はとりあえず終わった。」としか思わない、ということがより正確な表現かもしれません。

そこで難局を乗り越えあった人同士が互いの親交を深める、とか、塾で言えば「一生恩師として崇め奉られる」とかには全く興味がありません。新約聖書のイエスの言葉を借りれば、それは「神のことではなく、人のことを心配している」ということでしかないのかな、と思っています。だからこそ、卒塾生に別に会いたいとも思わないし、たとえば卒塾生が「あのときのあの先生のおかげで何とかやれています!」というように挨拶に来てくれたとしても、そこにやりがいを感じたり、嬉しさを感じたり、絆を感じたり、ということよりも(もちろんそれらの感情が全くないわけではないのですが)、目の前の困っている子、あるいは卒塾生であれ、彼ら彼女らの今困っていること、苦しんでいることに対して、自分が何らかの力になることができないか、にしか意識が向かない、という傾向があります。(なので、卒塾生と世間話をする、ということはなく、卒塾生と顔を合わせるたびに彼ら彼女らの何らかの相談に乗る、ということしか僕にはありません。)

突き詰めて言えば、僕は誰かに感謝を受けるためにこの仕事をしているわけではない、という思いがあります。
もちろん、第一志望に合格すればまるで神様のように感謝され、滑り止めにも合格しなければそれこそ人でなしのように
扱われるこの仕事の中で、その相手からの毀誉褒貶をどちらも真に受けていてはならない、という思いもあります。
ただ、それ以上に僕自身があくまで探究しなければならないのは、目の前の子たちが少しでもまともな大人になれるかどうか(それは人間性のみならず学力の面でも、ですが)ただそれだけです。そこに関しては教える僕自身の自己満足的評価を
排さなければならないだけでなく、教わる生徒自身の評価すら、ときには疑い、厳密に吟味していかねばならないときも
あります。

そして、そのような吟味にとって愛着や郷愁、思い出というのはときに評価を誤らせます。
もちろん、「卒業生は皆友達だ!」的に仲良く付き合いを続けていくような関係性のすべてが
まずいわけではありません。そのような関係性だからこそ、腹を割って話せることもあるでしょう。
それがときには、このようなスタンスの僕よりも彼ら彼女らにとっては力になることができるかもしれません。

ただ、それはまた互恵的・あるいは相互に意義深くない人間関係に正当性があることを認めることになってしまうようにも思います。権威が個々人に思考停止を迫るのは、そのようなプロセスによるのではないか、と思っています。
だからこそ、僕自身は一人一人の直面している「問題」に、徹底的に取り組んでいきたいです。
その「問題」に協力して取り組むこと以外に相手との関係性を担保するものが一つも残らないように、ですね。
逆に喜びや楽しみを誰かと共有することは、この世界にとってはあまり生産的ではないと思えてしまいます。
その生産的ではないことに誰かと時間を共有する暇があれば、その時間を他の人が「問題」に取り組む苦しみを手伝うことに充てたい。そのように考えています。

人生は長く苦しいですが、しかしそのような「問題」が一人一人にずっとあるわけではありません。
大学受験を最後として、そのような取り組むべき「問題」が消失してしまったかのように振る舞い続ける
大人もたくさんいます(もちろんそれは本当に消失するわけがなく、そのように考えたり取り組んだりしてこなかったことのツケが、政治であれ社会であれ大きな問題として個々人の能力を超えた形でしっぺ返しとなってくるわけですが)。

だからこそ、僕はその「問題」を共有し、共に戦う場としての塾を大切にしていきたいと思い、あまりノスタルジーや愛着の対象にはしたくないと思っています。仮に彼ら彼女らの「問題」が、受験が終われば消失する類いのものであろうとも、
です。「合格(卒業)した後、塾に遊びに行っても柳原は冷たくなった!」とお思いの卒塾生の皆さん!どうか、ご理解をいただきたい。そして、君たちが取り組むべきものに必死に取り組み、戦っていただきたい。その上で打ちのめされたり、困ったことがあれば、いつでも力になり続けたい、と思っていますし、そのために僕自身も必死に勉強し続けたいと思っています。それが愛着に甘んじることのない、愛であるとも思っています。
(うーん。書けば書くほど「集客には逆効果」感が強いですね。。今年の卒塾生のみなさーん。早く体験記書いてくれないと、もっと僕がブログたくさん書いちゃって、本当に塾つぶれるぞー!(まさかの脅迫!))

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2020 年度受験をふりかえって(その1)

           2020年度受験をふりかえって

大阪大学医学部医学科合格(進学先)    O・Y(城北高卒)
(ほか合格校;慶應大(医)、日本医科大(医)、慈恵医大(1次合格)、順天堂大(医)(1次合格))

この塾には中3の3月から高1の7月まで入っていて、遠かったのでやめました。その後浪人時に1年間通いました。365日中340日は行ったと思います。(残りのうち20日は模試やSEGでの数学、5日は主に高3の3月分の遊び)塾に入ってない時期どう勉強してたかについてもかなり言及しています。他塾に関してはここで言及しときますが、自分には駿台の英語の授業はあまり意味がなく、SEGの数学は評判通りかなり良かったです。わかりづらいですが、目的に合わせて読んでもらえたら幸いです。最後に総括として伝えたいことを書いときます。
※人に合うものは違うので真似すべきじゃないです。振り返ると、英語をサボったりと良くないところがたくさんありました。常に最善を探していくのが受験勉強です。先生とよく相談して勉強を進めてください。

高校の時に比べ、中学は勉強時間が少なかったため、下のようにサボってるのがアピールされてますが、試験一週間前からはしっかりと勉強をし、提出物も全部出し、睡眠は毎日7時間以上はとっており、授業も全く寝ずに聞いてました。
勉強に本腰をいれた時期からは、僕の場合はyoutuberは冷静に考えるとつまらないし、無駄に時間が過ぎるだけだと自分に言い聞かせ、youtubeを見ないようにしたら、勉強時間を増やせました。(ゲームは楽しいけど、長時間はやってられず、飽きてしまうタイプだった。)

【城北中学校・高校時代】
小学生の頃から算数、理科は強く、国語はできなかった。
中学受験は開成 、海城、城北を受け、城北だけ受かり進学。
中学は部活はサッカーで1年時は週5日(平日1日、日曜休み)
2、3年時は週6日 (平日1日休み)
高校は部活はソフトテニスで部活は週5日(平日2日休み)
【中1】
2学期の実力テストで5位以内ならスマホをかってもらう約束で必死に勉強をし4位
携帯を買ってもらってからは週5の部活終わってはyoutubeを見て、部活ない日も遊んだり、携帯いじったり。睡眠は8時間くらいはして授業は寝ずに聞いてた。
【中2】
勉強しなさすぎで、中1の貯金がなくなっていく、成績は降下
中3から315人中45人の選抜クラスがあり、それに入らないと親に怒られるという状況でした。その選考基準が中2の成績。一学期の実力は85位。
ヤバイとは思ったけど、結局夏もあまりやらず、徹夜で受けた2回目の実力で 前回215位の国語がまさかの1位で、全体は6位でした。奇跡がおきた。
三学期はしっかりやって19位
選抜入れた。そして約束のps4を手にいれる。
【中3高1】
高1には選抜クラスが2つになるため、基準が甘くなったためサボった。
ぼくが中3の冬に、自分の兄がこの塾で学んで、医学部に入ったので、親に行けと言われ、この塾に来ました。学校から遠く、部活がある日はいけなかったので、週2回ぐらい行ってました。やる気のなかった僕のやる気を奮い立たせようとしたのか、僕に東大医学部を目指そうと先生は言ってきたが、まだ受験のことはそんなに考えてなかった。そろそろ英語頑張るかと思い、とりあえず目の前の受験で使うだろう教科の中間テストの勉強はいつもよりやるようになりました。塾では数学の予習をやってはいましたが、全然進まなかった。英語ができないから、しっかりとやろうとはしてたのですが、あまり進まず。あんまりこれないし、遠いから夏頃に塾をやめました。また、高1夏は勉強しようと思ってたが、部活とyoutubeに費やしてしまった。このときぐらいから慶応医学部に行きたいなとは思いました。高1の模試では数学、国語、英語のみであり、数学のおかげで慶応の理工はA判、慶応医学部はE判だったと思います。それでも、それほどやる気はおきない。
【高1冬~高2】
高1の冬から駿台の英語を受けていた。このときぐらいから学校の自習室も解放され毎日勉強をしはじめた。勉強にかなり力をいれたのは高2の夏から 部活の練習は出ず、楽しい合宿だけいった。
あとは家族旅行5日間、それ以外は基本的に駿台の自習室にこもっていた。50日で300時間はやりました。10月前半には部活をやめ、放課後学校で4時間勉強し、家に帰ってできたら1時間勉強(家ではサボりぎみ)8時間睡眠ぐらい。高2の最後の実力テストは理系で1番になれましたが、ほんとの実力は学校では5番ぐらいだったと思います。
【高3春】
理科は高3前の春休みから名門の森や化学の新演習をとき始めました。部活をやっている人よりは早いスタートをきれて、最初のよかった駿台模試では医科歯科C判定ぐらいでした。悪いときはどの医学部もE判でした。数学と理科は自信はあったのですが、英語はイディオムとかは他の人より覚えてるはずなのに負けるという状況がずっと続きました。夏はサボる日も数日ありましたが、50日で500時間勉強しました。
9月は行事があり、やる気出ず、学校の授業抜いて月の勉強時間は90時間
10月以降は150時間(1日5時間)でした。
10月最後に防衛医科大学の試験があり、マーク式はまあまあ、記述式はできたかなと思いました。マーク式がある程度とれてないと、記述が採点してもらえないので、マーク式が受かってれば合格だなと思ってました。(問題は回収されるので自己採点ができない。)11月後半の発表で不合格でした。(1年後解答を見たら、国語が10点中3点とかしかとれてない)それでも、そんなに気にせず勉強してました。
模試はだいたい物理で失敗して医科歯科はD判、慶医はE判だと思います。
【センター前】
センター国語の練習では120点が通常で、140点の壁を越えることはほとんどなく、センター国語が取れなければ、センター配点低いところを受けざるを得ない、でも、取るに越したことはないという状況で、国語と社会だけセンター勉強を朝にやり、後はひたすら2次の勉強をしてました。(慶應医学部はセンター関係ないため。)
センター自己採点は地理83 国語151(かなり簡単な年)英語筆記185 リスニング38 数学1・A98 数学2・B100 物理100 化学84
国語が簡単である程度とれて良かったですが、化学が難しいこと考えすぎて事故りました。
千葉と医科歯科で迷ったのですが、医科歯科の過去問が結構とれたので医科歯科に出願しました。練習で慶応理工を受け、試験場できたと思ってたのですが、自己採点は悪かった。その後の慶応医学部は数学できず、英語も解き終わらず落ちたのを確信しました。その後理工の発表は実際補欠であり、回ってきませんでした。後期の千葉も足切り(800点)にひっかかり、残るは前期のみとなりました。これらを踏まえて、落ちたら浪人だけど受かってくれと期待をしながら医科歯科受けました。

医科歯科は1科目目の数学ができず、知り合いと話して簡単になったはずなのに解けなかったわとなり、次の理科で挽回するのかー。でも、挽回しようと思って点数上がるもんなのかと思い、挽回しようと思わないでいいと言い聞かせ、試験スタート 。
ムズそうな問題を読まずにとばしてたら、かなりとばして1周目が終わり、その後あまり点数を伸ばせず。
英語は一番苦手だし、やることやるしかないなって思い終える。先ほどの友達と帰って、これ確実に落ちたな、こんなんで受かる大学じゃねーもんと話した。医科歯科は浪人1年で勉強したものを反映しやすい問題ではないから、その時阪医を目指そうと思った。
【受験後、こっからこの塾に通います。】
結果はわかってないが、3日後からこの塾に電話をかけて行きました。基礎の授業を受ける時間はもったいないと思っていたので、落ちたら授業のないこの塾に行こうといのは受験前から考えてました。そっからは可能な限り塾に行きました。先生が休みの日にも行って、好きな理科や数学をやったり、塾生と話したりしました。時にはまんがを読んでしまった日もありました笑
入ってからは、英語は解釈教室、数学はやさしい理系数学、理科は高3時使ってたものの復習を進めた。全ての分野が復習できたわけではない、磨きがかかってないなと思ってる状態で河合の全統模試を5月中旬に受けました。その後は磨く勉強という意味で実践勉強です。5月中旬から理科と数学は過去問を北海道、名古屋、東北、(数学は九州も)をやりました。詳しくは先生に聞いてほしいのですが、頭が働きにくい入試本番で使える解き方をその時から練習してました。
理科はこのときから時間を短くしても高得点が取れる感じでした。数学は理科ほどがっちりしてる感じはなく、典型問題は計算問題or思い出す問題、他は場当たり的にこうかなーと当てはめる感じで理科ほどはしっかりしてない。(小学校の頃公文で算数に通ってましたが、計算力はなく、文字の展開や計算は間違えるので、何回も確認して答えを合わせにいくのは高3の2学期くらいからやってました。これは高2の夏から最後まで通ってた数学の塾SEGの青木先生の指導方針でした。)
毎回過去問をやるごとに各大問にどのくらいの時間がかかったのかの時間経過を先生に話し、解くべき問題だったか、そうでなかったかなどの反省点を話し合いました。

6月上旬のレベルの高い駿台全国模試では、理科は良い、数学は練習不足もありかなり低い、英語は英作以外はまあOKという感じでした。
毎日理科、数学の過去問を解くと勉強時間がかなり稼げるので、(肩こりとかはありますが)楽だなーという感じでした。英語は好きじゃないのでサボり気味でした。阪大の過去問は理科、数学ともに8月ぐらいから解いてたと思います。理科は最初は自分にあってないなーという感じでしたが、だんだん慣れてきた。(化学は理論化学がきつくて、すぐ飛ばしたりして、簡単な有機の答えをほぼ出す、物理は簡単な問題が多くそれらを解いてそれなりに時間がかかる。その後化学戻って…みたいな感じで2周して、物理の熱で大気圧を忘れるなどの間違えを高得点という感じでした。しかし、化学で最初に大きく飛ばすのは本番で使えるやり方なのかの不安はありました。)
阪大数学は問題集でやったことある問題などもあり、自分の苦手な分野(確率、断面とか考える体積など)でなければある程度解けてたと思います。
阪大の模試は夏にはないので、8月中旬に東北医、8月下旬に京医の模試を受けました。
東北医学部は英語以外は良かったです。その後の気の緩みはありませんでした。
京都医学部の模試は化学は良い、物理は良くない、数学は良い、英語は自分が得意な英訳とかだから他の模試とかよりは偏差値をとれる、みたいな感じでした。C判定でした。先生から志望校を京大にする?とも言われましたが、その時点で100~200番の間に入っていて、定員外だったため、医学の勉強がしたく、2浪はしたくなかったので、より受かりやすい大阪で行きますと言いました。(現役時の受験結果から、本番力が出せないタイプだと周りから思われ、自分も粗い勉強だったしそうなのもしょうがないかなとは思ってましたが、現役時よりは志望校を下げたくなかったので大阪です。)
【浪人夏以降】
9月10月11月も旧帝の過去問をといてました。国語の評論の勉強を9月から、古文、漢文、地理は11月から一応始めました。他の教科が楽しく、あまり気が乗らずたまにぐらいでした。地理は現役時しっかりやってたので、電車内で参考書読むくらいで塾ではやってない。10月末の防衛医大の2週間前からは対策をよくやって、試験はまあ受かっただろうとはなりました。その1週間後に阪大オープン、実践の医学部が2日連続で2個の模試があり、数学、理科はできたが、英作が点がひどいという感じでした。(結局、オープンは数学が簡単めで差がつかず、全教科で80~90番、実戦は数学はオープンより難しいが、点数とれて全教科で19位という結果でした。)
11月末の河合のセンタープレはあまり準備ができてなくて900点満点で760点ぐらいだと思います。去年のセンタープレは800点ぐらいだったので、甘く見てたと反省しそっからは避ける自分を抑えて、やや頻度高くやりました。(やっぱり数学理科の2次対策の方が楽しいし、センター直前にセンターだけやりまくれば大丈夫だろと思い、センター国語毎日やることはできない。)
地理はバス内で去年解いた15回分くらいを(直近の本試10年、追試5年)時間はからず、もう一回白紙の状態から解き直しました。(電車内で英単語とかがはかどらない人はこれはかなり時間効率良い、◯×つけるぐらいで、手を動かせるから。)
センター前はやることが多い、塾までの通学時間往復2時間は無駄だが、塾に行かないと勉強やる気はおきないという感じで12月からは親に無理を言って、西荻窪で一人暮らしをはじめました。朝9時30分に行って、夜も9時30分に帰って、飯を食べ、単語をやったりして眠くなるまで勉強をして0時30分ぐらいに寝てました。睡眠とらないときつく、9時間ぐらい寝てました。
12月はセンター対策(国語は過去問を2日に1回やろうとはしてた、地理は過去問やり直しの点数が良かったのでさぼる、英語はセンター対策そんないらない、理科はやったことない年度の過去問を時間短くして高得点とれるまで練習、数学は予備校のセンター問題集をやるが満点がとれないし、時間が短くならない、という感じでした。)
私大(日本医科、順天堂、慈恵)の過去問を全ての教科解きました。全教科4年分くらいはやり、慣れました。
そんな感じで12月末に慶医の英語をやり、英単語の読み取り間違い、cluelessnessは無知という意味なのだが、cruel(残酷な)の派生語だと思うミスをした。先生との相談の結果、英単語はサボってたから、そういうのも間違える、あとは語源をもっと意識すれば間違いを防げるとなり、一応言われたことをやりました。(そっからは単語の音声をご飯食べてるときに聞くなどをし、入試までしっかり勉強しました。たぶん効果あった)
1月7日くらいからは私大の過去問をストップして、センター勉強ばかりしました。
センター当日は地理易化、国語、特に古漢がかなり易化、英語は最後まで悩んだのが1つあるくらいだと思い、結構できたはずだ、よしと思ってました。(もちろん採点はしてません。)2日目は数学1・Aで大きな勘違い(分母が分数の上の数だと思って、答えがおかしくて、条件に合わない)をして、3周目でやっと間違いに気づいたのもあり、データでしっかり考えられなかった問題がありました。2・Bは全部合ってるかなとは思いました。物理は知らないときついなー、こう考えればいいのかと腹をくくった問題が1つあってたが、過去問演習ではちゃんと合ってたので自信はあった。その後の化学も特に問題なしという感じでした。

自己採点は地理85国語171英語筆記189リスニング40 1・A 90 2・B 96
物理95 化学100 の900点換算で820.2点でした。 数学とかリスニングとか突っ込みどころはありますが、国語が良くて良かったです。
前期は大阪、後期は千葉でいくことにしました。阪大はセンター対2次が1対3なので、油断はしなかったのですが、そっからはなぜかあんまりやる気が出ず、1週間ぐらいしっかりと集中して勉強するということができませんでした。 塾にはもちろん行って勉強はしてましたが。
やっとエンジンがかかったと思ったら1月31日から一週間ほど風邪を引いてしまいました。今まで解いたものの復習は頭が回らず捗らないので、新しい過去問を解きました。あまり復習のできてないそんな状態で日医、順天堂、慈恵を受けました。体調は試験にはそんな響かなかったかなとは思ってます。日医と順天はある程度できていて、受かってるだろうとはなりました。慈恵は化学で時間を食って点数が取れない最悪のことを起こしてしまい、理科は失敗、数学はかなりできた、英語は超難化、設問が難しいよ、できないという感じでした。結果、一次試験は全て通ってました。日医の2次は正規合格なのを慶応の試験の前にわかり、とりあえず大学には行けるとなりました。

慶医は理科ができて、数学も最終問題の答えをやったことがあって覚えててできた、英語は時間は足りて全部埋めれたという感じでした。数学は計算がめんどくさいところは結局あってなく、簡単で時間をかけずできなかったのを落としてまい、判断難しいところではあるが、もっととれたねという話にはなりました。去年より易化ではあるが、自己採点は1次試験の去年の合格最低点よりはかなり高かったため、1次は確実に通ってて、あとは正規の下のほうか、補欠の上の方じゃないと先生と話し合いました。阪大が第1志望なのだから、気持ちを阪大に切り替えるという話になりました。
慶医の2日後、つまり、大阪の4日前くらいに順天の発表があり、補欠にも入っておらず落ちてました。一般入試もとれたし、センター利用も出してたので、これは面接小論文落ちだという話になりました。その日は落ちたことが頭によぎるのに苛立ちながら勉強してました。
その次の日に慈恵の発表があり、補欠にも入らない不合格でした。元々筆記が低いし、面接はちょっと特殊だし、小論も得意ではないため、当然の結果ではあります。しかし、かなり精神的にやられました。そして次の日、寝るときの温度管理不足で、少し体調が悪くなったりしてだるく、直前に風邪を引く自分が嫌になり、先生にどう気持ちを保てばいいかなどを相談しながら一応勉強しました。
阪大試験の前々日には体調が悪く、午後3時頃には家に帰ってその日はずっと寝てました。体調は万全ではなかったのですが、前日の新幹線で数学の過去問を解き、ホテルで英語の長文一つ、理科を20分だけ、あとは、ここ1ヶ月で急にできなくなってきた数学をやりました。11時くらいには寝て次の日6時30分ぐらいに起きました。
【阪大試験当日】
試験当日は体調も回復しました。数学が簡単になり、しっかりでき、次の英語は良い感じに進められ、時間に余裕を持ちながら解き進められました。最後の理科は、初め、化学の大問1、2が全くできなかったのですが、今までの練習から考えても、この大問はかなり難しい、飛ばそう、この判断をした自分を信じろと言い聞かせ、その後を進めました。有機化学は簡単めで、そこで落ち着き、物理をあまりつまることなく進められました。そして、2周目で空いてるところを埋めることができ、点数が伸ばせたと思います。理科の自己採点では練習の時よりもミスは少なく、しっかりと解くべき問題を解いたという話に先生となりました。
過去問は理科の演習が一番大事だと先生はずっと言っていて、5月からずっとやってきたのが結果に出て良かったです。
面接は点数化はされてなく、重要視されてないと感じました。
その日に慶應が一次合格だったのがわかったので、そっから3日間ぐらい、主に小論文の勉強をしました。

【総括】
第一志望の大阪大学医学部に無事合格しました。慶應は補欠でした。(3月13日補欠合格)
この塾には去年の3月1日くらいからずっときて、340日ぐらいは来たと思います。先生には主に英語、国語の質問をし、過去問後の反省会は全教科先生としました。他の塾とは違い、先生は自分の全教科を把握していて、教科のバランスを考えた適切な指導をしてくれたと思います。イディオムや単語などの英語の知識はたくさんもっているのに成績が上がらない自分の弱点を的確に指摘し、こう進めれば絶対に伸びると断言してくれたのはためになりました。(学校の先生のアドバイスは、しょうがないところもありますが、全部やればいいという感じで、時間もないので、結局自分がこれかなと思ったのを不安ながら進めてしまった。)
英作文や小論文での添削では直接ここが良い、だめと指摘され、それを修正して次の課題も早くやりたいという気持ちにさせられました。(学校の先生は小論文の書く気をなくさせるようなことばかり言ってきて、最悪でした。)
先生は全教科教えられますが、文系教科が得意であり、僕の読解力では理解できない解説を様々な知識からわかりやすく説明してくれ、全ての教科に通ずる読解力を鍛えられたのは良かったです。
僕は物理は東大のチューターに、化学は農工大のチューターに聞いてました。どちらも週1以上の頻度で塾に来ていて、気楽に話せ、ためになりました。
数学は高校の時からお世話になってた学校の先生にLINEで聞いてました。
肩こりがひどい僕にシャー芯の硬さを変えようと提案してくれたり、線路沿いで電車の音が気になると言ったら、全ての窓を二重窓に変えてくれたり、様々な相談にのってくれた先生に感謝です。
学校の先生は生徒一人一人の勉強をずっと見ることはできないので、相談しても無駄だと思い、高校時代は自分が思ったままに勉強をして、最後の方成績は伸びませんでした。自分で考えることは大切なことではありますが、それを発信して確認してもらう相手が必要だとこの受験を通して感じました。その相手は受験に精通していて、しっかりと考えてくれる人である方がいいはずです。
何人もの生徒の全ての教科を一人で指導してきた人はこの塾の先生以外にはなかなかいません。
今塾にいる人はもっと質問をして、先生を困らせてあげてください。僕は自然に質問は平均1日1回以上はしてました。
塾に入ってなくて気になった人は一週間の体験があるのでぜひ来てみてください。
大手予備校とは違い受験生は少ないですが、休憩時には色んな面白い話が入ってきて楽しかったです。また、朝早く起きなくてすみ、睡眠を取らないと僕はだめなので、10時くらいにいって昼寝をせずに最後までやれば十分勉強できたのも良かったです。(浪人生には朝は早くくるが、たまにやる気がなくなったといい丸一日休む人もいたが、それをするよりは朝は少しゆっくりして、その代わり絶対に毎日来るというのが良いと思い、僕はそれを徹底しました。)
勉強のバランスが一人一人考えられていて、無駄が少なく自由のあるこの塾は最高の塾です。

( 開示結果に関する話を追加させていただきます。(令和2年 5月31日))
※僕の意見は一個人の見解なので、何百人もの生徒を見てきた先生を信頼してください。

大阪大学医学部医学科18位
総合 1719.05/2000 (85.9%)
数学500/500 (100%)
物理227.5/250 (91%)
化学162.5/250 (65%)
英語375/500 (75%)

センター 454.05/500(阪大医学部の配点)
国語171/200 地理85/100 数ⅠA 90/100 数llB 96/100 物理95/100 化学100/100
英語 筆記189/200 リスニング40/50

センターは自己採点とズレがなく、マークの仕方まで先生と議論した甲斐がありました。
2次試験の結果は、過去問練習をしている時も含めても最も力を出せた回でした。英語はそれほど得意でなく、化学は難しかったです。

【阪大本番の数学の実況】(長いです)
※ネタバレを少し含むので阪大理系数学2020を解きたい人は見ない方がいいかもです。
数学は大問5個150分の試験です。
1周目では、①(数Ⅲ微分・グラフ)、②(確率)はやることはわかるが計算は仕切らず、合わせて所要時間19分、③(証明問題)は5分考えて今はできなそうと思いやめる。④(積分)⑤(回転体の体積)は10分、9分ずつ進めてやめる。1周目は43分です。
そして、2周目。典型題の①は4分で答えを出しきる。②は答えがおかしく、2分でやめる。③は5分考えてわからないのでやめる。④の答えを出す、⑤を考える。(⑤はこの時点で考え方は難しくないが文字が多くて計算に時間がかかる&ミスが出やすいと判断できる問題です)で20分です。2周目終わって合計74分、答えを出したのは①と④です。
さあ次は3周目です、残り76分。(本番でのペースを知るために練習同様時刻を記載していたのですが、これ以降は大問ごとの時間経過は記載してません。)②で問題文の確率の定め方を大幅に間違って解釈しているのに気づき、動揺したので飛ばしました。次の③はもう一度図を書いたら、条件を図に反映するのを間違えていることに気づきました。そっからある程度のところまでは進んだのですが、うまくできません。そして⑤は他の解けてない問題を進めてからやろうと決めます。
次は4周目ですね。間違っていた解釈を直して②を解き進めます。幸い、間違って解き進めていたときに漸化式を使うというポイントがわかっていたので、説明は軽くして答えを優先して出しました。③はもう一度考え直し、解ける形に式を直せて、できました。この時点で残り40分ぐらいだと思います。見直しをしてない①④の問題文をもう一度読み、求めるものを間違ってないかのチェックをした後、⑤はやはり計算をするしかないと思い、⑤をやりました。途中で計算ミスをして直したりと大変だったのですが、特定の値を文字に入れたときに答えが合致したので、合ってると思いました。この時点で残り15分ぐらいだと思います。そして①から順番にチェック(計算できるところはもう一回する)していって、最後は②の確率で説明を補足しました。

1時限目の数学の試験が終わり、「時間長く感じたなあ、全部できたかも。ただし④の数値が今になるとおかしいような気がする。」と思いました。失敗はしてないので次の苦手な英語は時間だけ気をつけて、気負わずに受けれると思いました。それで英語が失敗せずに、理科も焦らずにできたのかもしれません。(ただし、先生は良くても悪くても前の教科の出来に引っ張られるなと普段から言ってました。)

長くなりましたが、何が言いたいかというと、こんだけ試験中につまづいても点数は取れるんです。
この方法の万能さを信用してください。また、この方法の練習をする時間が必要なので、早い段階から勉強を進める方が良いです。
※この方法を使わなくても受かる人はもちろんいると思いますが、それの大半は早めから有名進学塾に通い、演習を人一倍してきた人、進学校で優秀な成績を取り続けた人、演習時間の余裕があった浪人生(僕も1浪で、演習時間に余裕があったのは事実です)だと思います。その人たちもこの方法を使えばもっと点数が取れたと思います。

【最後に】
勉強以外にもすべき大切なことはたくさんあると思いますが、大学受験以降は大学受験ほど休みなしで長期的に努力をすることはないと思うので、勉強をしていれば誉められるこの良い時期に勉強をするのをオススメします!

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2020年度入試結果(確定版)

            2020年度入試結果        確定版

<大学受験・国公立大学>
東京大学理科3類            1名(進学先・第一志望)
大阪大学医学部医学科          1名(進学先・第一志望)
防衛医科大(1次合格)         1名

<大学受験・私立大学>
日本大学医学部医学科          1名(進学先)
慶應義塾大学文学部           1名(進学先・第一志望)
立教大学経済学部            1名(進学先・第一志望)
立教大学文学部             1名(進学先)
学習院大学法学部            1名(進学先)
日本大学松戸歯学部           1名(進学先)
成蹊大学理工学部            1名(進学先)
國學院大學法学部            1名(進学先)
日本大学経済学部            1名(進学先)
専修大学経済学部            2名(うち1名進学先)
東京農業大学農学部           1名(進学先)
日本社会事業大学社会福祉学部      1名(進学先)
慶應義塾大学医学部医学科        1名
日本医科大学医学部医学科        1名
東京慈恵会大学医学部医学科(1次合格) 1名
順天堂大学医学部医学科(1次合格)   1名
岩手医科大学医学部医学科(1次合格)  1名
立教大学法学部             1名
学習院大学経済学部           1名
中央大学総合政策学部          1名
武蔵野大学薬学部            2名

<高校受験>
慶応志木高               1名(進学先)
都立鷺宮高               1名(進学先・第一志望)
保善高                 1名

<中学受験>
学習院中等科(進学先)         1名(進学先)


大学受験生20名(うち国公立受験生6名、医学部受験生7名)、高校受験生2名、中学受験生1名での結果です。彼ら彼女らがこの1年を真剣に悩みながらも頑張った結果ですので、どの受験生のどの結果にも誇りを持っています。
                         2020年3月10日 嚮心塾塾長 柳原浩紀

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教室の模様替えをしました。

今日が国公立前期の最後の発表日で、発表待ちの状態です。落ち着かない気持ちを何とか紛らわそうとブログを書いています。

先日教室の模様替えをして、机を増席しました。去年はおかげさまで通ってくれる子も多く、席が足りなくなりかけることも多々あったところ、同じ建物の下のフロアが空く、というこれまたタイムリーなお話を管理会社さんからいただきまして、「これはとうとう自営業者・経営者の夢見る教室拡張のチャンスか!」と思って真剣に検討していました。ただ、嚮心塾のこの独自のスタイルはどうしても「一つの空間」というところが肝心要でして、これを(物理的な距離が近いとはいえ)もう一フロア借りる!となってくると、明らかに別の塾になってしまうかな、と。

もちろん先生を新たに雇ったりすれば、それはそれで楽しみなこともあるのですが、今この塾で僕がやっていることがあまりにも僕という「人」に依存したシステムを作ってきたしまったために、教室を増やしてどんなに優秀な先生を雇ったとしても、やはりそれは「紛(まが)い物」「嚮心塾風」になってしまうなあという結論に至らざるを得なくなり、諸々考えて、泣く泣く断念しました。代わりにあまりにも無駄なものとスペースが多い今の教室を整理し、無駄なものを処分し、そして増席をした、という次第です。(無駄なスペースめっちゃあったので、結構増席できました!)

たとえば「有名ラーメン店の味をご自宅でも!」というカップラーメンは山ほどあって、それは食べてみれば確かに「有名ラーメン店風」の味は確かにするわけですが、しかし本物とは比べ物になりません。では、麺やスープを直販で売っている「お取り寄せ」で食べれば良いかと言えば、それはそれで調理方法が違うため、やはりお店で食べる味にはなりません。
本物、というのは賞味期限も短く、そこにわざわざ出向いて行かなければ味わえないものです。

一方で、吉野家とか松屋とか、チェーン店の凄さ、というのもあります。あの味をあの値段で全国どこでも提供できる、というのはとてつもなく凄いことです。これに関してはどちらが偉い、とかどちらが凄い、とかではなく、密教と顕教の違いのようなものである、という話は以前にも書きました。大切なのはどちらをやりたいか、どちらが自分には向いているか、です。僕は圧倒的に「密教」寄りの人間なので、事業をスケールする、ということをこれっぽっちも考えていませんが、それを目標にして多校舎展開を、という塾を批判するつもりもありません。それは何を目指すかの違いであると思っています。(もちろん多校舎展開の帰結が、そもそも廉価でそこそこの質の保証のある教育機会の担保、ということには全くなっていないでただ害悪を垂れ流している場合も多々あるとは思いますが。それは同様に「小さな塾」で「面倒見が良い」というイメージにかまけて、それ以上の努力を怠る個人塾も多々あることと同じく、間違っています)

ただ、「密教風」は一番罪深いと思っています。「ここでしか食べられない味がある!」と言っては、さんざんどこででも食べられる料理を提供するようなものですね。嚮心塾にとって教室の拡大、というのはある意味でそのような「密教風」へと堕してしまうことにもなってしまうと思っています。

塾の生命線は、一人一人の生徒の観察にある、と思っています。教える必要はないのです。ただ、どこまでも徹底的に観察をしていくことが大切です。その「観察」のために会話やその他のやり取りも観察のツールとして使っては、一人一人の生徒の思考回路や感情を理解しようと努力できるか、が勝負です。
そしてそのためには、やはり同じ空間にいることがとても大切です。これに関してはたとえばZOOMによるオンライン指導なども感染症対策などのために緊急事態に導入するのならまだ良いのですが、全面的にそれでこのような「観察」を代替できるかと言えば、不可能であると思います。なぜなら、生徒が「会話をしたい」「指導を受けたい」ときだけ話すのでは圧倒的に情報が足りないからです。彼らが勉強しているときに無意識に過ごす中で出ているもの、意外な投げかけをこちらからしたときに、どのように反応するか、そういったすべてを観察するためには、やはり同じ空間で勉強をしてもらうことが必要であると考えています。逆にオンラインのビデオ会話であれ、メールやラインであれ、コミュニケーションを取りたいときにとられるコミュニケーションからはその子の思考回路や感情様式の全体像は決して見えてきません。だからこそ、嚮心塾では、「僕と同じ空間で勉強してもらう」ということを徹底しています。

ということで、多校舎展開は不可能ですね。。申し訳ありませんが、西荻窪まで通っていただくことを塾が終わる最後まで皆さんに強いざるをえないようです。(増席したので、席はたくさんあります!)

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嚮心塾で難関大学を受験する、ということ。

長かった今年の受験もあとは国公立大前期の発表と後期試験、あとは私立医大の後期試験を残すのみとなってきました。
満足の行く結果が出る子も出ない子もいるわけですが、一人一人がこの一年間を必死に戦い抜いた結果であるからこそ、目を背けずにしっかりと受け止めていきたいと思います。

医学部受験生とか東大受験生とかの合格者が多いので、嚮心塾はどうしても「勉強の得意な子に傾注しては、苦手な子を放っておく」かのように思われがちです。ほとんどの塾や予備校はそういう方針ですよね。それは経営としては当たり前で、勉強が苦手な子というのはそもそも勉強に向き合うモチベーションが低いため、勉強量を確保させるだけでもとても手間がかかり、大変です。また勉強の仕方もあまりよくわかっていないことが多いため、教えなければならないポイントがとても多く、手間がかかります。逆に勉強が得意な子というのは、モチベーションも高く、積極的に取り組むからこそ、力がついていきます。またここまでにある程度力のつく勉強の仕方、というものがそれなりにはわかっているからこそ、そのようなやり方ではどこが盲点になりやすいかだけを見抜いてはアドバイスをして修正を加えていくだけで力がどんどんついていきます。

なので、勉強の得意な子は難関大学に合格しやすいです。苦手な子は、どんなにこちらが手をかけても、なかなか難関大学には合格できません。「合格実績」というものが学習塾や予備校の集客の生命線である以上、そして特に嚮心塾のような合格実績以外に集客ツールが一つもない小さな塾では、こちらの1の努力で10の結果が出る勉強の得意な子を優先し、10の努力で2,3くらいの結果しか出ない勉強の苦手な子を「お客さん」として飼い殺しにしておく、というのは経営戦略的には恐らく正しいのでしょう。

しかし、嚮心塾ではそのように塾生の誰かに対して諦めることを一切していません。ついつい塾をサボってしまう子、来ても勉強が手につかない子、勉強のやり方を一から教えなければならない子と様々な受験生がいますが、そういった子達にできる限り時間をかけて説得したり、サボらないための方法を話し合ったり、勉強以外の話題を見つけては人間関係を作っていったり、と様々な努力をしています(今年は家庭訪問もしました!)。もちろんそれが効を奏して「奇跡の合格」をする子もいれば、やはりどうにもならないままに受験を終えてしまう子もいます。それでも、こちらから諦めるわけにはいきません。なぜなら、彼ら彼女らはそうやって誰かに諦められてきた経験を通じて、自分で自分のことすら諦める習慣を身につけてきてしまっているからです。僕が彼ら彼女らを諦めれば、もう彼ら彼女らがこの先に彼らのことを諦めないで接してくれる人とは出会えないかもしれない。うまくいかないことも多いのですが、そのような覚悟で接し、教えています。

と、ここで終えれば「偉い!諦めない教育者!」と自己陶酔で終われるわけですが、そうはいきません。
このようなことに僕がさんざん労力と時間を取られるせいで最も割を食っているのは、難関校を受ける、勉強の得意な受験生であるからです。なぜなら懸命に努力している彼らを教えるのに割くべき時間を削っては、「塾をサボらないためにはどうすればよいか」「勉強中に携帯をいじって勉強できないことを防ぐためにはどうしたらよいか」というレベルの話し合いをしているからです。もちろん、こちらもプライベートの時間もすべてを削って、そのような勉強の得意な受験生に営業時間では教えきれないことも徹底的にフォローはしています。直前期は朝から晩まで教えるのはもちろんとして、帰宅してから、あるいは塾に来る前も添削その他で潰れるため、ほぼ起きている時間はずっとそのような受験生の指導に充てています。しかしそれでも、嚮心塾で難関大学を受験する、ということはそのようにモチベーションが高く努力を惜しまない受験生たちに、ある種の「我慢」を強いることになります。

この点については本当に申しわけないと思っているからこそ、それでも嚮心塾を選んで通おうと思ってくれたそのような受験生達には何とか報いたい、とこちらも必死にならざるをえません。

これも効率だけを考えれば恐らく「棲み分け」るのがよいのでしょう。実際にほとんどの塾や予備校ではそうなっています。東大や医学部を受験する子は決してそのように受験勉強へのモチベーションが低く、努力を怠る子とは同じ教室にいません。当たり前です。その方がはるかに効率が良いからです。しかし、その効率を重視するが故にお互いに違う世界の住人として、お互いの気持ちもわからず同じ人間とも思えず、というようにして社会の分断は進んでいきます。これは僕自身も苦い経験があって、僕は少なくとも高校生とか大学に入ったばかりのときというのは、受験勉強に努力をしない人間のことが全く理解ができないだけでなく、軽蔑すらしていました。自分の努力は自分の手柄である、と傲慢にも思っていたと言えるでしょう。しかし、環境や状況が異なれば、今までできていた「頑張る」ということがあっという間にできなくなるのが
人間です。その若い頃の僕のような視野の狭さを愚かにも引きずったままに大人になっていく、ということを一人一人の塾生にはさせたくない。そのためにも、この塾のスタイルは希少であり、何とか必死に守っていかねばならないと思っています。

今年も難関大学を受験した受験生がこれから合否の結果を迎えることになります。
それぞれに手応えはあるでしょうが、高いレベルでの争いであるからこそ、確実に合格しているとは
言えません。それでも、彼らが局所最適性の追求に陥ることなく全体を引き受けようとしては必死に頑張ったこの一年の結果を、しっかりと見届け、受け止めたいと思っています。

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