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嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

2018年度受験を振り返って(その5)

東京大学教養学部理科1類合格(進学先)  I・M(桐朋女子高)
(ほか合格校:早稲田大学先進理工学部、国際基督教大学)
私が塾に入る決意をする決定打となったのは、地学で受験してもよいと塾長に言われたことでした。どうやって東大レベルの地学をやるのか初めは疑問に思っていたのですが、実際に質問してみると、私の思考プロセスを読み解いてその弱点を補うためにどうすればよいかレクチャーしてくださいました。これは、先生にとっては生徒がわからないところを教えるよりも難しく手間のかかる作業だと思いますが、このやり方をまねして地学の他の分野や別の科目に応用することで勉強への取り組み方が改善され、入試で通用する力をつけることができました。
 わたしは小さい頃から友達とおしゃべりするのが大好きで、幼稚園でも高校でも先生の目をかいくぐっては隣の子とおしゃべりしているような子だったのですが、塾ではみんなのじゃまになってしまうので我慢しなくてはならず、はじめはそれが受験勉強の中で一番つらかったです。しかし、それを理解してくださった先生方が、時間を決めて本を読んだらとアドバイスして下っさたり話の相手をしてくださったりしたので、最後まで乗り切ることができました。
 勉強していくと自分の知の構造が変わり、物事の見え方が時にはガラッと変わってしまうことさえあるので、人と話す機会が減ったこととも相まって浪人生活中に漠然とした孤独感のようなものを感じることもありました。しかし、いつも同じ教室で頑張っている仲間の姿や先生方の勉強への真摯な姿勢に励まされ、友達や先生方や両親に支えられていたからこそ、自分の弱いところに向き合い続けられ、結果として合格することができたのだと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

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2018年度受験を振り返って(その4)

金沢大学理工学域合格(進学先)   I・N(都立井草高校3年)
(他合格先:東京理科大基礎工学部)

僕は親の知り合いの紹介でこの塾に入塾しました。この塾の教え方は駿台など大手の予備校とは全く違かったので入ったばっかりの頃は少し当惑しました。自分が想像していたことと違うことをやらされ、本当に大丈夫なのかと疑いつつ、先生言われたことを続けました。ほとんど質問はしていませんでしたが、どの参考書でどのように勉強するか教えてもらえたので、受験勉強のやり方を全くわかってなかった僕にとってはとても助かりました。
僕は勉強嫌いで、大学にもあまり行きたくありませんでした。就職したほうがいいのではと考えたこともありました。勉強への逃げからかもしれませんが。そのためよく塾をサボってました。学校が終わってからは布団とのたたかいでした。一旦塾に行き、勉強し始めることができたら集中することはできましたし、それほど苦ではありませんでした。しかし朝布団から出れなければ塾に塾に行くのが面倒になり、ほとんど勉強ができませんでした。自分のこういう逃走癖を受験によって気づくことができましたが、自分はメンタルが弱かったので治すことは結局できずに終わりました。その結果、志望校を下げることになったのだろうと思います。しかしずっと今年は浪人するだろうなと思いながら勉強していたので、金沢大学に合格できてとてもよかったです。国公立大に合格をするのが第一目標だったので、合格に導いてくれた先生にはとても感謝しています。途中やめたかった時期もありましたが、今ではこの塾に入って良かったと思ってます。お世話になりました。ありがとうございました。

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一年が終わる時期に。

お久しぶりです。もう少しで国公立入試の発表が出て、今年一年が終わると言えます。今年の卒塾生はみんなとても気を使ってくれて、体験記を早めに書いてくれているので、もう既に何人分かがこのブログにもアップされています。

今年も僕の力不足で、ここまでに多くの落としてはいけない受験生を落としてきました。学習塾というものは、どのようにこちらが努力しようとも思いやろうともそれによって見違えるように受験生本人の勉強姿勢や実力が改善しようとも、結果が出なければ軽々と打ち捨てられるものです。というのは別に、そのことに対して泣き言を言いたいのではなく、そのような状況の中で自分が相手を思いやれるかどうかが、恐らく僕にとっては人生において必要な取り組みであったのだと思っています。こちらは生徒のことを諦めてはならないにも関わらず、成果が出なければ気軽にうち捨てられる中で、一人一人の生徒の人生を思いやる、ということが果たして可能であるのかどうかの実験として、嚮心塾は存在しています。もちろん、その中で自分の力不足ゆえに合格させられなかった受験生たちを合格してもらえる力をつけるために、また日々努力していこうと思います。

そんな中、忙しくて書けていなかったのですが、この年明けにFacebookでつながっている卒塾生が音頭を取って集まって、卒塾生の飲み会というものを初めて大々的に行い、僕も参加してきました。卒塾生同士が個人的に飲みに行ったり遊びに行ったりはもちろん今までもたくさんあったのでしょうが、僕が誘われたことはありません。そもそも僕は塾生と個人的に親しくなろうとは思っていません。教師というのは、生徒に慕われる喜びのために、奴隷のごとき労働を甘受する職業であると僕は認識していますが、生徒に慕われることが自己目的化すれば、教育にとっては有害なことです。以前にも書きましたが、教師の受ける生徒からの信頼、愛着、その他肯定的な感情の全ては、彼ら、彼女らがより良く生きていくために身につけるべきではあるがしかし自分からは受け入れがたい何かを身につけるために費やされるresourceでしかないと僕は考えています。そのresourceが少しでも僕とその生徒との間に残るのであれば、それは僕が手加減をしているのであり、「人のことの方を大切にする」という不正に手を染めているのだと思っています。

だからこそ、僕は生徒たちに嫌われるように、というつもりはないものの(不信や疑いはまた、彼ら彼女らに鍛えるべきものを伝えることを阻害します)、しかし、何一つ残さないように、塾へと通わなくなったその日から、塾に二度と足を踏み入れようと思わなくなるぐらいに鍛えるべきところを鍛えたい、と思って接し続けてきました。それはまた、今もそうです。彼ら彼女らに僕が愛されることや尊敬されることは、彼ら彼女らにとって必要のないことである以上、僕にとっても意味のないことであるのだと思います。

そのように必死に取り組んできた結果として、それでも卒塾生が遊びに来てくれたり、今回のように会ってみんなで話す機会を作ってくれる、ということは本当に望外の幸せでした(もちろん、僕の取り組み方がまだまだ甘くて卑怯なのかもしれませんが)。

相手との共感や同情は、相手とは違う自分を伝えるためのresourceであるのだと思っています。子どもたちにそのような勇気をもって生きてもらえるような力をつけていくためには、僕自身がまず、孤独に苛まされながらも相手の為を思いやらなねばならないと思っています。逃げたくなる瞬間ばかりではあるのですが、緩まず、阿(おもね)ずにしっかりと取り組んでいきたいと思います。

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2018年度受験を振り返って(その3)

法政大学キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科合格(進学先)  
                       S・H(明治学院東村山高卒)

(ほか合格校:明治大学農学部、法政大学現代福祉学部、法政大学社会学部、中央大学文学部、武蔵大学社会学部、國學院大學法学部、國學院大學人間開発学部、東京女子大学現代教養学部) 

浪人したこの1年は自分自身に向き合う時間でした。最後まで努力を続けられない不甲斐ない自分が嫌で、そんな自分に負けたくないと思ったし、変わるなら大学受験をする今しかないと思いました。附属の大学に推薦で行くこともできたのですが、自分の努力で自分の進む道を切り開きたいと思ったのと同時に、自分がどこまで頑張れるのか挑戦したかったので受験という選択をしました。入塾した当初は、毎日通い続ければ何か変わるんじゃないかという一心で通い続けました。どうしたら成績を上げられるのか手探りの状態で、先生から与えられたものをこなしていく形で勉強を始めました。今までの塾や学校では、どこか表面をなぞっただけの事しか教えてもらえないと感じていましたが、それとは違って、例えば教科ごとの実力の上げ方や勉強の計画など、細かなところまで本当に沢山のことを教えていただきました。自分が直していかなければならないのは何かを先生に相談して、とことんまで突き詰めていくことができました。先生に相談すると自分だけでは分からないことやうまく飲み込めないこと、漠然とした不安も、うまく分解されていくような安心感を得ることができました。遠回りしてしまったけれど、この1年は自分に必要な時間であり、これからの人生の糧になったと思います。受験であまりいい結果を残せてこれなかった自分でも、入試でちゃんと合格できたということが自信になりました。以前他の塾に通っていた時は塾に向かう足取りが重かったのですが、嚮心塾に通うのは全く苦に感じませんでした。毎日通えたのは、勉強することが楽しいと徐々に思えるようになった勉強空間と、信頼できる先生のおかげです。嚮心塾に入れていなかったら合格できていなかったと思います。先生には感謝してもしきれないほど助けていただきました。本当にありがとうございました。

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お月謝の改定についてのお知らせ

お月謝の改定についてのお知らせ

いつもお世話になっております。嚮心塾を作った理念の一つとして、親の所得格差が子供の教育格差につながり、貧富の差が世代を超えて再生産されていくというこの現状に対して、少しでも抗いたいという思いがありました。だからこそ「受験生の全ての指導を出来る限り低廉な金額で行いたい!」という思いで、開塾以来12年間お月謝を一度も上げることなく運営してきたわけですが、消費税負担やさらにその税率の上昇も見込まれる中で、段々と元のお月謝の金額では塾の運営自体が継続不可能になってきてしまいました。大変苦渋の決断ではあるのですが、お月謝を値上げさせていただくことを今回お願いしたいと思っております。

具体的には以下のようにさせていただきます。

(2018年3月分より改定) 現在           → 改定後金額
小中高の非受験学年生  通常24000円(夏期・冬期は27000円)→ 毎月26000円
小6・中3・高3受験生 通常33000円(夏期・冬期は36000円)→ 毎月36000円
浪人生         通常33000円(夏期・冬期は36000円)→ 毎月40000円
(なお、この改定に際して通常月と夏期・冬期で金額が違っていてわかりにくかった料金体系を各月同じ金額に致しました。)

さらなるご負担を強いてしまうことを本当に心苦しく思っております。このような値上げする際に見受けられる逃げ口上である「より一層のサービス向上に努め」ることも嚮心塾に関してはこれ以上はほぼ難しいとも思っているのですが、指導する僕自身の質を上げていくことはまだまだ可能であると思っておりますし、そのために必死に努力していきます。どうかご理解をいただけると有難いです。

                  2017年11月14日 嚮心塾塾長 柳原浩紀

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