嚮心(きょうしん)塾日記

西荻窪にある、ちょっと変わった塾です。

何度も、間違えよう。

今年度の受験が終わりました。塾では今年も様々な受験生が努力してくれました。志望した学校に合格できた子もいれば、合格できずに悔しい思いをした子もいましたが、必死に努力したことは決して消えません。その誇りと自信を胸に、次のステージでまた頑張ってもらえることを願っています。

受験生に力をつけるために指導者が直面する難題は、受験生の勉強法を「どれくらい直すか」ということに尽きると思います。全面的に受験生本人の勉強の仕方を直して、最も正しいやり方でやっていこうとしても、それが一人一人の受験生の内部にそれを理解するだけの準備が整っていない場合には、そのような「最善の」やり方は決して定着しません。だからこそ、よりよい勉強方法、というのは最善のものを最初に与えれば良いのではなく、その受験生の進み具合に従ってそれを向上して定着するようなものを考えていかねばなりません。

そして、さらに言えば、そのような勉強方法の改善自体もまた、他人から教えられるのと自分で気づくのとでは定着度が変わってくるため、自分で気づけるものは出来る限り自分で気づくようにしていくのがよいことになります。すなわち、どこをいつ直すべきか、というだけでなく、それをどのように直すべきかまでを含めて、指導する側は絶えず悩みぬくことになります。

受験勉強であれば、受験というタイムリミットから逆算して、どのようにその一人一人の勉強を組み立てていくのか、毎年悩ましい作業です。ただ言えるのは、受験生本人が気づくのを待つというこの時間を丁寧にとっていった受験生は、必ず力を伸ばしていくペースがどんどんと上がってくる、ということです。逆にこちらが何でも教えこむ、という指導法にはどうしても限界があります。なぜなら、一人ひとりの受験生に24時間、365日一緒にいることができるのは受験生本人しかいないからです。だからこそ、すべてを教え込む、ということに安易に流れることなく、どこまで受験生の自主性に任せるか、逆にどこからはしっかりとその「自主性」の中にある見落としや甘えにメスを入れていかねばならないか、が難しいと思っています。

そのように日々こちらが苦悩していった結果として、そして何よりも受験生本人の努力の結果として、受験生が力をつけるだけでなく自分で考え試行錯誤をする力をつけていってくれるとしたら、それはこの上ない喜びです。間違えから学んでいく、ということがとても大切であり、塾の今年度の入試の感想文にも、その一人ひとりの軌跡がよく現れていると思います。そのような研鑽の場としての嚮心塾に、興味を持っていただけたらありがたいと思っております。

                              2018年3月10日 嚮心塾塾長 柳原浩紀

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